2012年12月アーカイブ

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「聖アントニウス」中央画面の右下部分には、いかにもボスらしいリアルな化け物たちが描かれている。そこは水溜りになっていて、水は中央部分にぽっかりと口を開いた穴を通って、地下へと流れ込んでいる。ということは、ここが地獄の入り口三途の川である可能性を示唆している。

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インドのニューデリーで先日発生した集団レイプ事件には、インド事情に詳しくない筆者などには、わからないことが多すぎる。まずこの手のレイプ事件が、インドでは珍しくなく、事件が起きたニューデリーでは、女性は常にレイプの危険にさらされていると報道されていることが一つ。もう一つは、この事件を契機にして多くのインド人がデモンストレーションに立ち上がり、この事件をめぐる政府の微温的な対応に、ノーをつきつけていることだ。

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リチャード三世といえば、シェイクスピア劇に出てくるキャラクターの中でもとびきり迫力ある人物像だ。そのとびきりさと言うのは、自分にとって邪魔になりそうな人間を殺しつくした残虐さにおいてである。リチャード三世はまた、歴史上に実在した人物でもあった。彼は1483年から1485年までの約2年間、イングランドの国王として君臨していたのである。

 こうして、飛行機の修理をしながら八日たった。その日、商人の話を聞きながら、僕は持っていた水の最後の一滴を飲み干したんだ。
初めての仕官を終えて郷里に戻った陸游は、紹興30年(1160)中央勤務に抜擢され、以後4年間、勅令所刪定官、大理司直、枢密院編修官などを歴任、同32年(1162)には、新たに皇位についた考宗に召見され、進子出身の資格をたまわる。同年には家族を臨安に呼び寄せてもいる。陸游の生涯でもっとも充実した時期だったといえる。
安倍首相が早速打ち出した経済活性化対策が注目を集めている。それどころか、市場がそれに反応して、円安株高の状況まで生じている。果して、アベノミクスと呼ばれている安倍首相の経済政策は、中長期的に機能して、一時的な好景気に終わらず、本格的な日本経済再生につながるのだろうか。

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「へびつかい座ゼータ星(Zeta Ophiuchi)」は、本来ならシリウス並みの明るさをもつ星のはずだが、周囲にただよっている星間塵のために光をさえぎられて、あまり明るくはみえない。その姿をスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した。(上の写真の中央:NASAから)

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ヴィクトリアピークは標高552メートルの山で、香港島では最も高い山だ。ここからは香港の市街が一望でき、夜景見物の名所ともなっている。この絵は、その展望台の様子を描いたものだ。

安倍政権の発足という事態を踏まえて、今朝(12月27日)の朝日新聞が3本のインタヴュー記事を掲載していたが、そのうちの一本がえらく気になった。話しているのは精神科医の齋藤環さん、表題には「ヤンキー社会の拡大を映す」とある。このなかで齋藤さんはいきなり、「自民党はもはや保守政党ではなくヤンキー政党だと考えた方が、いろいろなことがクリアに見えてきます」と明言しているのだ。
20数年ぶりにカントを読みなおそうとしてはたと思ったのは、どんな日本語訳を選んだらよいかということだった。筆者はドイツ語に堪能ではないので、原文でスラスラ読むというわけにはいかない。そこで以前読んだ岩波文庫版はどうかというと、これがかなり問題ありという評判だ。篠田英雄の訳したこの本は、日本語の表現が堅苦しいことはともかくとして、カント哲学の根本となる概念の用語が適切に訳されていないという批判がもっぱらなのである。その代表的なものは、トランツェンデンタールというドイツ語を、先験的と訳している事である。
谷崎潤一郎の母関は美しかったらしい。浮世絵にもなったというから、相当の美人だったに違いない。関には姉妹が二人あって、彼女らもまた浮世絵になるほど美しかったらしいが、潤一郎の母関は群を抜いて美しかった。少なくとも息子の潤一郎はそう思い込んでいたようである。

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写真(APから)は、オハイオ州のコロンバス動物園で暮らすローランド・ゴリラのコロ。このメスのゴリラは、このたび56歳の誕生日を迎えたが、これは世界中の動物園で暮らすゴリラの中では最年長なのだそうだ。ゴリラの平均的な寿命は、野生の場合には40-50年と云われているから、彼女は非常な長生きゴリラだといえる。

サンフランシスコ条約に基づくいわゆる「単独講和」が冷戦の産物だったということは、現代史学者の大方の了解事項だ。日本近現代史学者中村政則氏もそういう立場に立っている。(中村政則「戦後史」岩波新書)この単独講和によって、日本はアメリカの世界戦略に組み込まれていくのだが、そのことによって、日本の対米従属が明らかになり、また日本の戦争責任があいまいになった、そう中村氏は指摘する。以下、氏の主張の概略を紹介しながら、単独講和のもった意義について考えたいと思う。

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NHKスペシャルが特集していた番組「日本国債」を興味深く見た。いまでは磐石の信用力を誇るといわれる日本国債だが、その信用がいつまでも続く保証はない。実際に国・地方合わせた日本の政府部門による借金は1000兆円、そのうち日本国債の割合は700兆円あまり、国の一般会計予算の8年分に達する。こんなに巨額の借金をしている国は、先進国では日本以外どこにもない。

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「聖アントニウスの誘惑」の中央画面は、アントニウスにとって人生最大の試練の場となった地下墓地での光景を描いている。画面やや右手に地下墓地に入っていく入り口が描かれ、その前に(画面のほぼ中央に)跪いてこちらを、つまり絵を見る人に表情を向けているアントニウスが描かれている。その周囲には画面全体にわたって、アントニウスにとって試練となった様々な出来事が描かれている。

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アメリカ映画「レ・ミゼラブル」を見た。ロングランを記録したミュージカルを映画化したもので、原作はヴィクトル・ユーゴーだ。その原作を筆者が読んだのは、小学生の時。「ああ無情」と題された児童向けの翻訳書を図書館から借りて読んだことを覚えているが、ジャンバルジャンが心を入れ替えたにも拘わらず、警察に追われ、逃げ回るところが印象に残っている。ミュージカルの方は見たことはないが、聞くところによれば、原作をかなり忠実に再現しているということだ。そしてこの映画は、そのミュージカルの舞台をほとんどそのままスクリーンに移し替えたものだという。

「こんにちは」と王子は言った。
「こんんちは」と商人が言った。
 その商人は、喉の渇きを静める錠剤を売っていたのだった。それを週に一錠飲むと、水を飲む必要がなくなるのだった。
二年ほど福州での勤務をした後、陸游はいったん故郷の紹興へ帰ることになった。次の職への拝命を待つためである。そこで正月に福州をたった陸游は、紹興を目指して北へ向かった。その北帰行の途中東陽を過ぎた。浙江省金華県である。初春のことで、酴醾(とび)の花が咲き誇っていた。それを見た陸游は一篇の詩を作った。「東陽にて酴醾を觀る」である。
ロシアのプーチン大統領は、北方領土問題をめぐる野田首相との会談を延期したが、それは新しい政権の登場を見極めた方が利口だとの判断に基づいたものだったと思われる。その証拠に、自民党が政権に返り咲き、安倍晋三氏が新しい日本の首相として、北方領土問題の解決と日露平和条約の締結に強い意志を示したことに対して、さっそく反応した。20日に開いた国内外の記者との会見の席、「重要なシグナルであり、高く評価する」と述べるとともに、「日本のパートナーと建設的な対話を期待している」と語り、安倍政権との間で平和条約締結に取り組む意向を示したのである。
この本は民主党政権が現在進行中の時期に書かれたにもかかわらず、過去形の表題を冠している。恰も民主党政権の時代は過ぎ去ったかの如き云い方である。ということは、著者が民主党政権を見限る余り、早く舞台から去れといった気持ちを込めて書いたということなのだろう。

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今年(2012年)の秋に中国華南地方を旅したとき、何枚かのスケッチを描いて、帰国後水彩画に仕上げた。これはその一枚、香港島を描いたものだ。

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韓国の大統領選が行われ、与党セヌリ党の朴槿恵(Park Geun-hye)女史が勝利した。投票率は51.6パーセントで、民主統合党の文在寅(Moon Jae-in)の得票率48パーセントをわずかに上回った形だ。これには色々な見方があるが、両候補の政策にあまり違いがなかったので、国民は安定を優先させたのだろうという見方が強いようだ。

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中国の新興宗教「全能神」が社会不安を煽り立てているとして、当局が取り締まりを強化しているそうだ。新華社通信によれば、最近一週間で、青海省で400人の身柄が拘束されたほか、福建、広東、四川、湖北、江蘇などで計100人を超えた。

カントがアプリオリな総合判断を重視したのは、経験から得られる認識すなわち総合的な認識の中にも普遍的で必然的な真理が含まれていることを証明するためであった。そうすることで、因果関係についてヒュームが下した結論を覆し、人間の認識は経験に根差しながらも、(因果関係を含めて)普遍的・必然的な真理に達することができるのだと主張したかったわけであろう。
谷崎潤一郎の二遍の中編小説「神童」と「異端者の悲しみ」は、ともに谷崎自身の自伝的色彩が強い作品だと解釈されている。前者が少年時代を、後者が作家としてデビューする直前の青年時代を描いたものだということになっている。
丸山真男の日本ファシズム論は、戦後の日本政治学、とりわけ日本政治の分析枠組として、非常に大きな影響を及ぼした。その影響のあり方は、評価する者に対する影響のみならず、批判する者さえ呪縛するようなものだったと言える。戦後の日本政治学は、良くも悪しくも、丸山真男を出発点とし、その理論と格闘しながら進んできたといってよいほどだ。
無覚先生:今回の総選挙は民主党が大敗して自民党が躍進し、公明党と合わせれば三分の二以上の議席を獲得した。一方第三極と言われる勢力については、維新の会が一定の議席を獲得したのに対して、原発ゼロを訴えた未来の党は伸び悩んだ。それにしても、民主党の負けっぷりは見事だったね。2009年の総選挙では300議席以上を獲得し、改選前の時点でも230あったのが、たったの57議席に激減した。維新の会でも54議席をとったのだから、いかにとんでもない数字であるか、わかろうというものだ。まさに壊滅的な敗北と言ってよい。なぜこんなことになったのか。どう思いますか。

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三連祭壇画「聖アントニウスの誘惑」は、数あるボスの聖人画の傑作であるのみならず、生涯の画業の集大成と言ってもよい。テーマの解釈と言い、画面構成と言い、豊かな色遣いと言い、ボスの特徴と言うか、長所がことごとく盛り込まれている。

旧友Yから「脳の病状から解放されました」と題するメールがきて、今年初めにくも膜下出血で倒れて以来、四回にわたる開頭手術を受けて、ようやく症状安定し、酒も飲めるようになった旨のことを知らせて来た。そこで彼の快気祝いを兼ねて、忘年会を催すことにした。場所は銀座のアナゴ料理屋「はかりめ」という店である。
「こんにちは」と王子は言った。
「こんにちは」と転轍手が答えた。
「ここで何をしてるの?」
「旅人達の行先を、千人単位で選んであげてるのさ」と転轍手は答えた。「旅人達を乗せてる列車の方角を、右にしたり、左にしたりしてね」
紹興28年、陸游はついに出仕することとなり、寧徳県主簿を拝命した。寧徳県は福建省にある、主簿とは県の庶務担当のような職である。そこへ赴任する途中、温州付近の瑞安県を通りがかった。その時に作ったのが「泛瑞安江風濤貼然」である。
先日(12月13日)、尖閣上空に中国の航空機が侵入し、航空自衛隊機が出動する事態があった。日本政府はこれを領空侵犯だとしてただちに抗議したが、中国は中国で尖閣の領有権を主張し、かえって日本の対応ぶりを厳しく非難する有様である。中国が船舶による領海侵犯に加えて、航空機による領空侵犯を行ってきたことで、尖閣を巡る日中対立は新たな事態を迎えたということができる。このままエスカレートすれば、軍事衝突の危険性さえ予想される。中国は果して、そこまで考慮に入れて、日本への挑発行為をエスカレートさせているのだろうか。

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東京駅が、5年間に及ぶ復元工事の結果、開業時の姿で蘇り、今年(2012年)10月1日にオープンしたというので、しばらくたってから出かけてみた。この絵はその時のスケッチをもとにした水彩画だ。

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NASAの天文学研究チームが、ハッブル宇宙望遠鏡のもたらしたデータをもとに、観測史上最古の銀河を観測したそうだ。7つあるそれらの銀河のうち、最も古いものは、今から133億年前、ビッグバンから3億8000万年後にできたと考えられる。残りの6つも、ビッグバン後6億年までの間にできたと考えられるという。

カントがヒュームによって独断のまどろみから目覚めたと告白していることは、哲学史上有名なことである。ドイツ哲学をあまり評価していないラッセルもそのことを、カントにとってよかったと評価している。もっともラッセルは、その目覚めは一時的なもので、カントは催眠術を発明して再び眠りにつくことができたと皮肉っている。
永井荷風は谷崎潤一郎を高く評価した最初の人だった。谷崎は荷風の高い評価によって、文壇にゆるぎない地位を築くことができたといってもよいほどである。そのことを谷崎は深く感謝して、生涯を通じて荷風を畏敬し続けた。戦争末期に荷風が空襲から焼き出されて関西方面を放浪していた時、谷崎が岡山県の疎開先で荷風の面倒をみたのも、そうした感謝の現れだった。谷崎はある面で非常に義理堅いのである。
1992年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表された生殖学に関するある研究論文は、男性の精液中に含まれる精子の数が、今後半世紀の間に、1ミリリトルあたり1億1300万体から6600万体へ半減するだろうと予想していた。このたび、フランスの研究者たちがヒューマン・リプロダクションに発表した研究は、この趨勢を跡付けるものになっている。

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ロシア議会(ドゥーマ)で売春合法化にかんする議論がなされているそうだ。目下のところその是非について論議するというもので、即法案議決と言うことではないらしいが、合法化についての同意が広がれば、法案化され、場合によっては国民投票を経たうえで、実施される可能性があるという。

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三日目(12月3日)は、日田の町を散策して後大分空港に戻るというのんびりしたコースだった。それ故出発時間にも余裕があった。そこで、昨夜入らなかった露天風呂にも浸かることにした。まだ夜明け前だったので、暗い中を名残の月を眺めながら湯に浸かった。夜が明けていれば、阿蘇の連山が目前に見えるということだ。

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聖アントニウスは、3世紀半ばから4世紀半ばにかけて、エジプトに生きていた聖人だ。その生涯については、司教アタナシウスが「聖アントニウス伝」としてまとめたところだが、それによれば、聖アントニウスは悪魔の誘惑との戦いを経て、偉大なキリスト者としての評判を確立し、晩年は多くの弟子と共に、修道院的な生活を送ったということになっている。それ故、聖アントニウスは修道院の創設者とも目されている。

オーストラリアの性行動学者ロブ・ブルックス氏が、「中国にあふれる"結婚できない男たち"」と題する一文をCNNのウェブサイトに投稿している。それよれば、一人っ子政策の影響で、女児を育てる家族が相対的に少なくなった結果、女性に比べて男性の割合が異常に多くなり、配偶者を見つけられない男たちがあふれる現象が生じているという。

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黒川温泉の街は渓流が削った深い谷の底に展開している。我々はその谷を登ったところの高台に建っているホテルに投宿した。三愛高原ホテルといって頗る眺めがよいのが売りだという。我々が着いたのは午後四時頃で、まだ日が沈むには間があり、雨も止んでいたのだが、生憎風景を眺めることはできなかった。空はまだ厚く閉ざされたままだったのである。

 次の日、二人はまた会った。
「どうせなら、同じ時間にあったほうが良かったね」と狐は言った。「たとえば、君が午後の4時に来ることがわかっていたら、三時から僕は嬉しくなり出すだろう。時間が四時に近づくにつれて、僕のうれしい気持ちは強くなる。四時になるとぼくは、そわそわして、飛びあがるかも。そんな儀式が必要だよ」
「儀式って何?」と王子は言った。
「それも、忘れられてしまったことだけど」と狐は言った。「それは、一日を他の一日から、一時間を他の一時間から、区別させるものなんだ。たとえば、ハンターにも儀式があるとするよ。ハンターたちは、毎週木曜日に、村娘とダンスする習わしになっている。だとすれば、木曜日は特別の日だ。その日には僕は、ブドウ畑まで安心して散歩できる。もしダンスをする日が決まってなければ、それぞれの日には違いがなくなり、僕も安心して休めなくなる」

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 ちびっこ王子が狐と出会ったのは、その時だったんだ。
「こんにちは」 と狐がいった。
「こんにちは」 と王子は丁寧に返事して、後ろを振り返ったけれど、なにも見えなかった。
「ここだよ、リンゴの木の下だよ」と狐はいった。
「誰だい、君は」と王子はいった。「とってもかわいいけど」 
「狐だよ」と狐はいった。
「こっちへ来て、いっしょに遊ぼうよ」と王子は狐に言いかけた。「ぼく、とても悲しいんだ」 
「君と遊ぶわけにはいかないよ」と狐は言った。「人間と仲良くすることはできないから」 
「そう、ごめんね」と王子はいったけど、しばらく考えた後で、「<仲良くする>って、どういう意味?」と付け加えた。

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二日目(十二月二日)は、六時に起床して朝風呂を浴び、朝餉を喫して後、八時頃ホテルを辞す。しかして湯布院温泉の一角にある金鱗湖なるところに立ち寄る。水中より温泉が湧き出るという。たしかに水面から湯気が立ち上っている。湯気は水面からのみならず、山の中腹からも勢いよく立ち上っている。このあたりは、山腹と言わず、水中と言わず、いたるところから温泉が湧き出ているようである。

紹興二五年(1155)和平派の宰相秦檜が死ぬ。それをきっかけに高宗の親政が強まり、様々な意見が徴せられるという噂が広がった。その噂をきいた陸游は、自分らの意見が用いられ、やがては金に勝って失われた領土を回復できるかもしれないと、希望を抱いた。実際、陸游は時代の波に乗るようにして、紹興二八年には出仕できることとなる。
先日、湖南省の岳陽市で、ウィグル人と漢族との間でトラブルが生じ、それがもとでチョットした衝突が起こり、漢族の男一人が逮捕されたほか、16人のウィグル人が新疆ウィグル地区に追い返されるという事件が起こった。この事件は早速ネット上に知れ渡り、ミニブログでは様々な意見が交わされている。その意見の大部分は、ウィグル人など少数民族に対する漢族の根強い差別意識を反映したものだ。

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例のあひるの仲間たちと九州へ紅葉を見に行こうということになり、一時は五・六羽で宮崎・鹿児島の温泉巡りをしようというところまで煮詰まったのだったが、結局なんやらかんやらでおじゃんとなり、その代わりに都合のつく者同士でこじんまり行こうということになった。参加したのは筆者のほかに横・今の二子、行先は湯布院・黒川温泉プラス高千穂峡というコースだ。今子が幹事役になって設定してくれた。筆者はただ乗っかるだけである。

マックス・ウェーバーが正統的支配の三つの類型として提起した合法的支配、伝統的支配、カリスマ的支配は、いずれも純粋な理念型であるとしているものの、やはり特定の歴史的な背景と結びついているところがある。合法的支配は、官僚制において最も純粋な形で成立すると言っているとおり、近代的な組織や社会共同体において典型的に見られるものである。したがって歴史的にみれば、最も新しい類型の支配だともいえる。これに対して伝統的な支配は、近代以前の社会において見られたものだと、とりあえずは言うことができよう。

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先日の中国共産党大会で新しい指導部に選ばれたメンバーは、来年3月の全人代(中国の国会に当たる)で任命されることによって、正式に国家機関のポストにつけることになっており、したがって現在は待機状態にあるといってよいが、実質的には、すでに新しい指導者として動き出している。その中でも内外から最も注目を浴びているのは李克强(Li Keqiang)だ。

筆者が谷崎潤一郎を初めて読んだのは、まだ高校生の頃だった。「刺青」はじめ短編小説を何本か読んだあと「痴人の愛」を読んだのだが、その濃艶な文体と異様な人間心理の描写に圧倒されながらも、何ともいやな気分に陥り、それ以上読みすすむのを放擲してしまった。この文学はどこかに異常なところがある、それは単にそれ自身が異常であるばかりか、読むものまで異常にしてしまう、こんなものばかり読んでいると、きっと頭がおかしくなってしまうにちがいない。筆者は未発達で青臭い知性を以て、そんな風に考えたのだった。
日本道路公団など道路関係四団体の改革、いわゆる道路公団改革は、小泉政権にとって改革第一弾ともいうべきイシューとなった。小泉は、道路公団をめぐる国民の批判を背景に、国鉄と同様の完全民営化をぶち上げたのであったが、最終的にたどり着いた結果は、維持管理部門については民営化するものの、建設部門については国の関与を大幅に残し、国民に不評だった無駄な道路の建設を引き続き可能にするというものであった。当初は、完全民営化によって道路建設に歯止めをかけることも期待されていたのが、中途半端なものになってしまったわけである。大嶽秀夫氏はそれを、「竜頭蛇尾に終わった」と評している。(小泉純一郎 ポピュリズムの研究)

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新橋駅で下車した我々は、首都高速の高架下にある「土風呂」と言う店に入った。若者向けの居酒屋だが、老人老女にも十分楽しめる店だ。それぞれの席がパーティションで仕切られ、個室感覚なのがよい。今どきは、こうした半プライベートな感覚が大いに流行っているのだという。

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パトモスの聖ヨハネは、「ヨハネによる黙示録」の著者である。新約聖書の中で、予言的な性格が強いこの著作は、福音書はじめ新約の他の著作とは、大きな対照をなしていると捉えられてきた。

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 でも、長い時間、砂や、岩や、雪を突き抜けて歩いているうちに、ついに一本の道に出会ったんだ。その道の先には、人間の住んでいる場所があった。

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イスラエルのネタニヤフ政権が、ヨルダン川西岸へのユダヤ人入植地拡大方針を打ち出した。国連がパレスティナをオブザーバー国家として認定したことに対する報復措置だというのがもっぱらの見方だ。イスラエルは1975年にも、国連がシオニズムを強く批判したことへの報復として入植政策を拡大したことがあったが、今回はその時の状況とよく似ている、と専門家は見ている。

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昼食後鎌倉駅から江ノ電に乗った。熟女たちは電車の窓から海が見たいという。そこでもし海が見えたら、見えるはずの方の窓に熟女たちを案内した。しかし海が見えないうちに、電車は目的地の長谷についてしまった。みなさん残念でしたね。

紹興23年、29歳の歳に、陸游は科挙の地方試験たる両浙漕試に主席合格するのだが、翌年行われた中央試験(省試)で落第してしまった。前例によれば、地方試験で主席合格したものが、中央試験で落第することはないのであるが、時の宰相秦檜が、自分の孫を首席で合格させ、陸游を落第させたのであった。

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