春の嵐に蛙も寝ぼける

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今日(3月13日)は、東京近辺では春の嵐ともいうべき強風が吹き荒れた。そのせいで交通機関にも大きな影響が出たようだ。筆者もその影響の一端を蒙った口で、午前中にお茶の水の大学病院で治療を受けた帰りに、千葉方面の電車が強風のために運休となり、代替交通手段を時間をかけて乗りついで、やっとの思いで帰宅できた次第だった。強風だけが原因でこんな目にあったのは、長い人生の中でも初めてではないか。

強風は一日中吹き荒れて、筆者の妻もその影響を蒙り、夕刻勤め先から、ほうほうの体で帰宅したということだったが、その妻なる人が玄関の扉を開けるやいなや亭主に向かってこう叫んだのだった。玄関先にへんなものがいるから、いますぐ片付けて!

何だろうと思って玄関先に出てみると、敷石の一隅に男の掌大の蛙がうずくまっているではないか。どうやらヒキガエルのようである。筆者は蛙に向かって、早々に立ち去るようにお願いした次第だったが、蛙の方は筆者の言葉などに貸す耳はないといった風情。どうやら、いまだ冬眠から完全には覚めていないようなのだ。

そこで筆者は物置から箒と塵取を取り出し、箒の先で蛙をこそばりまわしながら、蛙の下に塵取を差し込み、その身を塵取に載せたうえで、そのまま道路の側溝に運んでいき、側溝の中に逃がしてやった次第だったが、その間、蛙は身動きもせず、筆者にされるままに身を任せていた。

どうやらこの蛙は、冬眠しているところを強風に襲われ、びっくりして巣から飛び出したものらしい。しかし飛び出した挙句、安全な場所の移動したのはいいけれど、そのまま眠気に見舞われて、再び眠り込んでしまったらしい。

筆者は、ねぼけ蛙を相手にして、あまり格好のよくない役回りを演じさせられたようだ。


 





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