GOPには大人の対応は期待できない:クルーグマン、オバマ予算を批判

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オバマが議会に提出した来年度予算案について、ポール・クルーグマンが例によってかみついている。この予算案と言うのは、富裕層への増税による財源で財政赤字の縮小を図る一方、社会保障や医療関連予算をカットしていることに特徴がある。事情通たちはそこを捉えて、これは、オバマからGOP(共和党)へ差し伸べられた妥協のシグナルと言っているが、とんでもない。そんな妥協はとても期待できない。というのも、オバマは、こちらから妥協を持ちかければ、GOPの方でも大人の対応をするだろうと考えているようだが、今のGOPには大人の対応は期待できない。彼らは皆が皆そろって餓鬼の集まりだからだ、というのである。

クルーグマンの毒舌は今に始めったことではないが、最近はその舌鋒の届かざるところなしと言った勢いで、政敵つまり共和党に対する非難の矛先はますます鋭さを増すばかりだ。

それにしても、オバマの妥協的な態度には、クルーグマンだけではなく、民主党の中からも非難の声が出ている。社会保障の維持と医療保険制度の充実は民主党の選挙公約であったはずだ。それをいかに政治的妥協が必要だとはいえ、簡単に引っ込めるのでは、支持者に対して申し訳が立たない、という理由からである。

クルーグマンから餓鬼扱いされた共和党の面々だが、オバマから妥協の姿勢を引き出したことはほめてやっていいかもしれない。しかし彼らが折角オバマから差し延べられた手を払いのけ、相変わらず駄々をこね続けるようでは、クルーグマンならずとも、怒り出す人が増えるかもしれない。(写真はAPから)

(参考)Imaginary Grownups By Paul Krugman





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