彭麗媛(Peng Liyuan)は宋美齢になれるか?

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習近平夫人彭麗媛(Peng Liyuan)女史の存在感が増している。先日は、夫の初めての外遊に付き添って、行く先々で、中国のファースト・レディとしての存在感を示し、また国内でも、愛国的でかつ聡明な女性であるとの評判をものにしているようだ。

前任者の胡錦濤の夫人は、ファースト・レディの外交辞令として最低限のことをするだけで、表向き目立ったことはほとんどしなかった。胡錦濤の前任者の夫人たちはもっと地味に徹した。唯一例外なのは毛沢東の第四夫人だった江青のケースだが、彼女の場合、ファースト・レディとしてよりも一政治家として物議をかもした。その挙句、四人組の一員として弾劾され没落したことは良く知られているとおりだ。

中国では、江青に限らず、女が政治に口出しくるとろくなことにならないと、広く信じられてきた。女による悪政の例としてよく引き合いに出されるのは、恋敵を生きたまま切り刻んだ漢の呂后、自ら皇帝を名乗って悪政をほしいままにした則天武后、皇帝を傀儡扱いして政治を乱し清を滅亡に追いやった西太后など、枚挙にいとまがない。最近は薄熙来の妻谷開来が欲得づくからイギリス人を毒殺したとして物議をかもしたばかりだ。

しかし例外がないわけでもない。中国史でも、ファースト・レディとして尊敬を集めた女性がいる。蒋介石夫人宋美齢だ。宋美齢は孫文夫人の宋慶齢や宋愛齢とならんで宋家の三姉妹と言われ、聡明なことで知られていた。英語にも堪能で、アメリカの議会で中国のファ―スト・レディとしての演説をしたのは、宋美齢ただひとりである。

この宋美齢を、彭麗媛は目標にしていると言われる。果してその目標が実現するかどうか。

たしかに彼女には美貌はあるし、また国民の人気も高いという。その点は大きなメリットだ。しかし、天安門事件の際には、弾圧側を支持する行動をしたなどともいわれている。いずれにしても、今後の行動が彼女の評価を決めるだろうことは間違いない。(写真はEconomist から)


関連サイト:中国を語る 





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