冥界への入り口、ヒエロポリス

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ギリシャ・ローマ神話に出てくる冥界への入りについて、このたびイタリアの研究グループが詳細に調査したそうだ。その入り口なるものがあるところは、小アジアの都市ヒエロポリス(現在はトルコのパムッカレ)の丘にあるハーデス神殿の一角、そこに大きく口をあけた穴が、冥界への入り口なのだそうだ。

研究グループは、紀元前のギリシャ人旅行家ストラボンの記録などを参考にして、そもそもハーデス神殿がどこにあったかを追跡し、それらしきものの跡を特定した後に、冥界への入り口を探し求めた。その結果、硫黄を噴出している穴を発見、そこが冥界への入り口だと断定した。実際その入り口の上部には、ここがハーデスの門である旨の表示があったそうだ。

なお、この冥界の門について、ストラボンは次のように記している。

「入り口の幅は人間が通れるだけの十分な大きさがあり、いきなり深みに向かって陥没している・・・穴の中は靄と暗黒に包まれ、底の方までは見えない・・・中に入り込んだ動物はあっという間に死んでしまう。牛でさえも即死する。我々が雀を放り入れたところ、直ぐに死にながら落ちて行った」

この穴のそばにはたくさんの鳥の化石が散らばっていた。研究チームはそれらの鳥が、穴の中なら漂い出てくる毒気に当てられて死んだのではないかと推測し、この穴がストラボンのいうハーデスへの入り口であることの傍証とした。(画像は、ハーデス神殿と冥界の門の想像図:National Geographicから)

(参考)Archaeologists Find a Classic Entrance to Hell By Elizabeth Snodgrass National Geographic


 





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