5歳の男児が2歳の妹を射殺

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銃規制を巡って揺れているアメリカで今度は、5歳の男児が2歳の妹を射殺するという事件が起こった。地元の検視当局は「常軌を逸した事故の一つにすぎない」といっているそうだが、問題なのは、この事故で使われていた銃が、男児の所有する銃であったことだ。アメリカではいま、児童向けの小型ライフル銃が公然と売られており、ウオルマートへ行けば、一丁110-140ドルで買うことが出来る。今回男児が使ったクリケットという児童向けの銃は、2008年の一年間に6万丁販売したということだ。まさに銃社会アメリカだ。

アメリカでは最近銃の販売が伸び悩んでいるそうだ。そこで銃会社は、新しい販売市場として子どもの世界に目をつけ、子どもを相手にした銃販売キャンペーンを張っているという。その効果があって、子供向けの銃の販売は伸びているようだ。だがそれと並行して子供を巻き込んだ銃の事故も増大し、米国児童青年精神医学会によると、年間に、10代の若者と子どもあわせて3000人以上が死亡し、1万5000人以上が負傷しているという。

昨年コネティカット州ニュータウンで起きた銃乱射事件を契機に、アメリカでは銃規制論議が高まり、オバマ政権は銃の販売を規制する法案を議会に提出したが、有権者の票を気にした議員たちによって葬り去られた経緯がある。その際オバマ大統領は、法案に反対した議員に「恥を知れ」といって、怒りの感情を現したということだが、今回の事件が銃規制論議を再び高める可能性は十分にある。

一方、政府による銃規制に危機感を感じている全米ライフル協会(NRA)は巻き返しにやっきだ。銃を保持する自由はアメリカ人にとって最も大事な権利だ、その権利を守るためにはいかなる犠牲をも惜しまない、といって気勢を上げている。今回も5月5日を「銃を保持する子どものための日」と銘打って、大々的なキャンパーンを展開する予定だったという。(写真はAFPから)


 





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