西銀座・外堀通りの柳:水彩で描く東京風景

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2004年の10月に西銀座の外堀通りの風景を描いたことがあったが、このたびそれを描き直してみた。以下はオリジナルの絵に添えた短文である。

(38×28cm ファブリアーノ300g  2,013年5月)

銀座の表通りから柳並木が姿を消して久しい。その後町の西側を走る外堀通り沿いに新たな柳並木ができて、今では西銀座の名所になりつつある。並木は新橋から鍛冶橋の先まで続いているが、数寄屋橋より南側、新橋寄りの方が美しく感じられる。脇に高速道路がないためだろう。

その名のとおり、ここはもと外堀のあったところだ。それが戦災復興の一環に位置づけられ、戦後の東京を覆った瓦礫の山を埋め立てて道路を作り、その上に高速道路やらショッピングセンターを作ったのである。そんな出自からか、この通りは最近まで美的な鑑賞の対象となることはなかった。それが洒落た感覚の通りとして人々に認知されてようになるのは、ひとつには柳並木のもたらす効用によったともいってよい。

この絵は銀座6丁目あたりの外堀通り沿いの光景を描いたもの。ご覧のように石畳で舗装された歩道に沿って柳が大きく育ち、沿道には洒落た雰囲気の店も続くようになった。こんなことから地元の人々もこの通りを銀座の一部として認め、西銀座通りと呼ぶようなったそうである。(2004年10月記)


関連サイト:東京を描く 





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