ブラジルのデモ騒ぎ

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ブラジルの各都市で燃え上がったデモ騒ぎが世界中の耳目を集めている。テレビで映し出されたデモのプラカードには、ワールドカップはいらない、FIFAは出ていけ、などと書いてあるから、ワールドカップ反対デモかと思えば、そうではないようだ。デモ参加者たちが怒っていることは明らかに伝わってくるのだが、彼らが何に対して怒っているのかが、いまひとつわからないのだ。

そもそもの発端は6月6日、サンパウロでバス料金の値上げに抗議するデモが起きた。しかしその時のデモの主体は、公共交通の無料化を主張する一部の勢力で、大方の支持は得られていなかった。その風向きが変わったのは、6月13日、平和なデモ行進をしていた人々に、武装警察が襲い掛かり、催涙ガスを浴びせたり、ラバー・バレットを撃ったことに、デモ参加者たちは無論、遠巻きにデモを見ていた人々も激昂した。これをきっかけにして、政府を批判するデモがブラジル各地で沸き起こり、大変な騒ぎになったというのだ。

これからすると、このデモは、公共料金の値上げが間接的な原因であったとはいえ、警察の野蛮な攻撃に見られるような、権力の腐敗に対して、民衆が反発したという側面が強いようなのだ。その意味でこのデモは、民主主義の徹底を求める民衆の動きといってもよいようだ。

ブラジルは今世紀に入って以来順調な経済成長が続き、そのため貧困が縮小して中間層が大きく育ったと言われている。いわば発展途上国の優等生なわけだ。したがって、国民各層には、国や社会に対する深刻な不満はないものとみられていた。今回のようなデモが起こるとは、誰も予想していなかったわけだ。

それが、一夜にして巨大なデモのうねりが沸き起こり、ブラジル各地の大都市で大変なデモ騒ぎに発展した。時の勢いというものは、わからないものだ。(写真は6月18日のサンパウロのデモ:EPAから)

(参考)The streets erupt:Economist





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