化石はどっちだ:石原慎太郎維新代表のヘイト・スピーチ

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日本維新の会の石原慎太郎共同代表が、川崎市での講演会の席上、社民党の福島瑞穂代表を中傷する発言をし、「バカみたいな社会党の生き残りの女」と酷評したうえで、「『憲法を変えると戦争を始める』とキャッキャと言う。まだ生きているのが不思議なくらいの化石みたいな人だ」といったそうだ。(朝日新聞6月22日朝刊による)

また、野中広務元自民党官房長官にも矛先を向け、先日北京で尖閣問題棚上げ論に触れたことについて「売国奴」だとまくしたてたそうだ。

自分と異なる主張をする政治家を批判するのは政治家として当然の行為だが、しかし相手を口汚く罵るのは見苦しいことであるし、ましてや相手の人格を貶めるような中傷をすることは、政治家として許されないことだ。石原慎太郎氏といえば、仮にも公党の代表者だ。そういう立場の人が、自分の気に入らぬ相手を誹謗中傷するのは、ぞっとするような眺めだ。

第一、石原氏には、福島さんを化石呼ばわりする資格はないだろう。石原氏の日頃の主張は、日本国憲法を廃棄して、明治憲法の精神に戻るということだ。つまり、日本の歴史を大昔に逆戻りさせようという主張だ。これこそ化石みたいな人間のいうことではないか。

また、野中さんへの誹謗発言だって、石原氏にはできる筋合いなどない。野中さんがわざわざ老体を鞭打って中国まで出向いたのも、そもそもの発端は石原氏の行為がきっかけだ。尖閣を巡って、無責任な行動を繰り返すことで、日本の外交を無用に混乱させたのは、石原氏自身だ。そんな無責任な男に、野中さんを責める資格などない。

石原氏のように、自分の気に入らぬ相手を口汚く罵るのは、言葉の暴力というべきであり、いま人種差別を巡って問題となっているヘイト・スピーチと同次元のものだ。政治家自らヘイト・スピーチにうつつを抜かす、というのは、成熟した文明国に相応しい眺めではない。


関連サイト:日本の政治 





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