世界で一番企業が活動しやすい国:安倍政権の成長戦略

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安倍政権が、来る参議院選挙向けの目玉政策として、成長戦略を打ちだし、その柱として、世界で一番企業が活動しやすい国というスローガンを打ち上げた。どういうことかといえば、企業減税を通じて外国資本の呼び込みを図る一方、労働力の規制緩和を進めて、企業活動をしやすくしてやろうということらしい。

企業減税も労働力の規制緩和も、外国企業だけに恩恵が及ぶわけではない。日本の企業にも当然恩恵は及ぶ。そんなことから、こうした政策は、かねてから産業界から要請の強かったものだ。産業界にいわれるままに、彼らの要請に応えるのではあまりに脳がないと、安倍政権は考えたのだろう。外国資本の呼び込みということにかこつけて、これらの政策を推し進めようという魂胆が見て取れる。

これから消費税を上げて国民負担を強化しようとしている矢先、企業には減税をするというのは、なにかすっきりしない話だ。企業に減税をすれば、国内企業はいっそう投資意欲が強くなるし、外国企業も参入しやすくなる、という理屈なのだろう。それに労働をめぐる規制を緩和して、日本人の労働者を都合よく使い捨て出来るようにすれば、外国企業は無論日本の企業だってホクホクになるという魂胆があるのだろう。

しかし一方では、こうした政策で損な目にあわされる人々もいることを忘れてはならない。労働者の権利がますます弱められて、働く人たちは更にひどい境遇に追いやられる。また、企業は儲けやすくなる一方、家計の負担はどんどん増える。

こうした政策が、アメリカやイギリスの政策の追随であることは明らかだ。アメリカもイギリスも、企業が儲けやすいことでは定評がある。企業は儲けやすいが、その儲けのどれだけの部分が国民経済に還元されているか、そこのところははなはだ心もとない。企業が儲ける一方、国民が痩せ細るというのでは、シャレにもならない。


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