2013年7月アーカイブ

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アメリカ国籍で南アフリカで活躍しているフォトグラファー、ロジャー・バレン(Roger Ballen)が、ケープタウンで音楽活動をしていたグループ、DIE ANTWOORDとコラボレーションした "I Fink U Freeky" がネット上で大ブレークしているそうだ。筆者にはどう受け取ってよいのか十分に解しかねるところもあるが、楽しそうな雰囲気は伝わってくる。

小早川家の秋:小津安二郎の世界

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「浮草」の中では、中村鳫治郎以下の旅役者たちに関西弁をしゃべらせた小津安二郎が、この映画「小早川家の秋」では関西そのものを舞台にとって、存分に関西弁を聞かせてくれる。というのもこの映画は、京都伏見の造り酒屋の旦那とその家族たちをめぐるドラマなのである。その旦那を演じた中村鳫治郎は、「浮草」の時とはまた違った雰囲気を出していたが、それがなんとも色気を感じさせる。その色気は、東京の下町にまだひっそりと生き残っている古き良き時代の関東の男の色気に通じるものがある。筆者は関西の風土やそこに住む人々についての土地勘のようなものはないのだが、中村鳫治郎演じる粋な関西人を見ると、古き良き時代の日本人の心意気のようなものを感じるのだ。

南方熊楠の代表作「十二支考」は、虎から始まってネズミで終わる。彼は雑誌「太陽」の1914年1月号に虎についての小論「虎に関する史話と民俗伝説」を発表して以来、毎年の新年号にその年の干支に当たる動物についての論考を連載したのであったが、1924年の子年に至って、雑誌が関東大震災のために休刊となったことで、掲載されなかった。そこで熊楠は、他の雑誌(「集古」及び「民俗学」)に分載したのだったが、丑年については発表の機会を得ず、ついに執筆を断念した。それ故、「十二支考」とはいっても、十一の干支で終わっているわけなのである。

マネタリストの主張はある前提の上に成り立っている。金融政策には対称性が成り立つという前提だ。金融を引き締めれば景気の過熱を抑えることはほぼ実証された経験的事実であるが、その逆も成り立つ、つまり金融を緩和すれば、景気は必ず良くなるという主張だ。これは一見理屈に適っているかのように見える。しかし、必ずしもそうはならない。何故なら、金融政策には非対称性があるからだ。

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「ヘラー祭壇画」は、「ローゼンクランツ祝祭画」、「一万人のキリスト者の殉教」に続く、三作目の祭壇画である。デューラー自身、これを自分にとっては渾身の作だといい、「この板絵は500年間きれいで新鮮なままだろう」と書簡の中で誇っているくらいだが、残念なことに1729年(完成後220年後)、ミュンヘンの宮殿火災で焼失した。しかし、ヨープスト・ハリッヒによる模写(1624年作)が残っているので、どのような絵だったかは、偲ぶことが出来る。

アベノミクスのおかげで株高・円安が実現し、日本経済が俄に活性化したという言説がまかり通っているが、実はそうではない。これらはいずれもアベノミクスとは関係のない現象であり、かりに民主党政権がそのままつづいていたとしても起きていたことだ、と老壮の経済学者伊東光晴氏が断罪している。安倍・黒田の両氏は、実は何もしていない。彼らがいうところのアベノミクスの内実は空虚そのものだというのである。(「世界」8月号)

ヘーゲルにとっての認識論

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デカルトが人間の「考える」働きを問題として取り上げて以来、認識論は西洋哲学の中心テーマになった。人間の認識の働きは、一方では人間の存在の根拠となるとともに、それを通じて人間が世界を了解する通路ともなった。人間というものは、認識作用を媒介として、己自身と向き合うと同時に世界とも向き合う、というわけだ。

エジプトの虐殺

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軍隊が国民を殺すのだから虐殺としかいいようがない。いま、エジプトで起きている事態だ。26日夜から27日未明にかけては、カイロやアレクサンドリアなど各地で、親モルシ派のデモに軍隊が襲い掛かり、70名もの人々が殺された。これで、7月3日に起きたクーデター以来、軍隊に殺された人の数は、数百人に達したとされる。

陸游の七言律詩「秋の晩閑歩すれば、隣曲、予の近ごろ嘗て病に臥せるを以て、皆欣然として迎へ労らふ」(壺齋散人注)

  放翁病起出門行  放翁 病より起きて 門を出で行けば
  績女窺籬牧豎迎  績女は籬に窺ひ 牧豎は迎ふ
  酒似粥醲知社到  酒は粥に似て醲(こ)く 社の到るを知り
  麭如盤大喜秋成  麭(もち)は盤の如く大にして 秋の成るを喜ぶ
  帰来早覚人情好  帰来 早に人情の好きを覚え
  対此弥将世事軽  此に対して弥(いよい)よ将って 世事を軽んず
  紅樹青山只如昨  紅樹 青山 只 昨の如きも
  長安拝免幾公卿  長安 幾公卿かを拝免する
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アメリカの新しい駐日大使にキャロライン・ケネディさんが就くことが決まった。あのJ.F.ケネディ元大統領の長女であり、政治的なキャリアが全くないのに一定の政治的影響力を持ち、オバマ大統領とはごく近い関係にあるといわれる。受け入れる日本政府としては、日米同盟重視の現れだとして表向きは歓迎する姿勢だが、外交に関する経験もなく、政治的能力が全く未知数なこの女性を、どのように扱ったらよいのかと、懸念する向きもあるようだ。

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「一万人のキリスト者の殉教」は、ヘラー祭壇画の注文主ヤーコブ・ヘラー宛書簡の中で言及がある。それによると、この絵はザクセン選侯帝フリードリッヒ三世の依頼によるものだとわかる。フリードリッヒ三世は古くからのデューラーのパトロンで、「東方三王の礼拝」のほか、この絵と同じ主題の木版画をも注文している。

福翁自伝を読む

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筆者は、小学生だった頃、「毎日小学生新聞」というものを母親にとってもらって読んでいた。その中で最も興味をそそられたのは、福沢諭吉の伝記であった。細かいことは大方忘れてしまったが、全体的な印象はいまでも覚えている。昔の日本に生きていた一人の人間の、気骨ある生き方が、まだ小学生であった少年の心に響いた。そんなところだろうか。どんなところが響いたかというと、それは反骨精神のようなものだったと思う。少年の筆者は、福沢諭吉という一人の男に、反骨精神と、その裏返しとしての自尊自立の精神を感じとり、できれば自分もそのように生きたいものだと思ったのだった。

日本維新の会から参議院選挙に立候補して見事当選したアントニオ猪木氏が、北朝鮮を訪問するというので、マスメディアの話題になっている。アントニオ猪木氏はこれまでにも何回となく北朝鮮を訪問しているし、ただ単に訪問しているだけではなく、北朝鮮の空気を日本に伝えるメッセンジャー役を自任しているフシもある。そんなことから、氏は北朝鮮マフィアの一員だとみなされることもある。

ナヴァーリヌィ釈放の謎

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先日材木泥棒の容疑で懲役5年の実刑判決を食らったアレクセイ・ナヴァーリヌィ(Алексей Навальный)が、一夜明けた翌日、前日判決を受けた同じ法廷で、釈放の決定を言い渡された。しかも、前日有罪を主張した同じ検事が裁判官に対して釈放の請求を行ったというから、世の中のゴシップ好きを大いに驚かせた。いったいどうなってんの、というわけだ。かくいう筆者も、これには驚かされた一人だ。

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英国王室のウィリアム王子とキャサリン夫人との間に生まれたローヤルベビーの名前がジョージと決まった。エリザベス女王の父君で、先代の英国王ジョージ6世にちなんだとも伝えられている。ところで、歴代の英国王の名前は、ジョージの外ヘンリー、エドワード、リチャードといった少数の名前に集中する傾向がある。それはどういうわけか。

痴呆の芸術:谷崎潤一郎の義太夫批判

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谷崎潤一郎の小文「所謂痴呆の芸術について」は、義太夫の馬鹿馬鹿しさを痛烈に批判したものである。それも、谷崎が日頃懇意にしていた義太夫の巨匠山城少掾から、義太夫を擁護してくれるような文章を書いて欲しいと頼まれて書いたということになっている。山城は、谷崎の友人である辰野隆が義太夫のことを余りに悪しざまに言っていることが憤懣に耐えず、それへの反駁分を書いてもらいたいといってきたのだが、それに応えて書いた文章が、結果的には辰野隆以上に義太夫を悪しざまにいうことになったというわけなのである。

ネット解禁は選挙にどう影響したか

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今回の参議院選挙からネットが解禁されたということで、初めてのネット選挙だと話題になったが、果して実際にどのような影響があったのか。そのあたりのことを、NHKの番組「クローズアップ現代」が分析していた。(検証"ネット選挙")

秋日和:小津安二郎の世界

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小津安二郎は、家族関係を好んで描いたためか、同じような内容の話が多いし、また題名も似たようなのが多い。中でも小津が特に好んだのは娘の結婚をめぐる親子関係の話だ。「晩春」、「麦秋」、「彼岸花」といった一連の作品がそれで、娘とその家族との関係を様々な角度から描いている。「秋日和」もその系譜に連なる作品だ。筋書きは「晩春」とよく似ている。「晩春」では娘の結婚を按ずる父親が描かれていたが、ここでは父親の代わりに母親が娘の結婚を心配するのである。

三粋人経世問答:2013参院選を語る

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無覚先生:今回の参議院選挙は、予想通り自民公明両与党の圧倒的勝利に終わりましたね。合わせて三分の二を超えるまでには至らなかったが、安定多数には達した。これで両与党は、衆参のいわゆるねじれを解消して、安定的な政治運営ができるようになったと、メディアは一様に積極的に評価している。その一方で、多数に驕る自民党が暴走し出すのではないかと危惧する人もいる。実際安倍さんは、憲法改正とか原発再稼働、あるいはTPPといった与野党対立案件については、選挙期間中封印して、もっぱら経済回復に集中していたわけだが、衆参の絶対多数を背景に、こうした案件について持ちだし、ゴリ押しするのではないか、との観測も流れている。こうした事情について、お二人さんは、どんな風にお考えですか。

南方熊楠とトーテミズム

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南方熊楠は、自分の名の一部になっている「熊」と「楠」とが、トーテム信仰を反映したものではないかと推測した。熊と言う文字は熊楠の兄弟たちにもつけられている。また同郷の熊野の人には、楠の文字を名につけた人たちが数多くいる。そこから熊楠は、熊野地方には熊や楠をトーテムとする独自のトーテミズム信仰があったのではないかと推測し、次のようにいうのである。

アダムとイブ:デューラーの油彩画

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イタリア旅行から帰ってすぐ、デューラーはアダムとイブをテーマとした一対の巨大な裸体画を描いた。同じテーマの1504年の銅版画では、アダムとイブは同じ画面に横並びに描かれていたが、今回はそれぞれ違ったパネルに描かれた。絵のサイズはほとんど同じである。いづれも等身大の男女の裸体像が描かれている。

ヘーゲルの読みづらさ

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筆者は学生時代に、日本語に訳されたヘーゲルの著作をひととおり読んだことがあるが、それはマルクス理解を深めることが目的だった。マルクスはヘーゲル哲学に多大な影響を受けており、ドイツ・イデオロギーなどに展開された初期の思想は無論、資本論などの円熟期の著作にもヘーゲルの影響が顕著に表れている。そんなことを先輩から知らされたからだ。そこで手始めに大論理学を読んでみた。資本論の論理の構築が大論理学のそれを踏まえているとされていたからだ。すると、資本論と大論理学との間に、極めて顕著な共通性のあることが分かった。論理の組み立て方がほとんど同じと言ってもよい、そんな風に思われたのだった。量から質への転化を弁証法的に論じるところ、また論理の飛躍を印象付けるフレーズとして、資本論には「ここがロドスだ、ここにて跳べ」あるいは「ミネルバのフクロウは夜飛び立つ」といった警句がちりばめられているが、これらの警句はヘーゲルの大論理学にもあった。そんなわけで筆者は、マルクスがヘーゲルに大きな影響を受けていたことを改めて感じとった次第なのであった。

広島県の山中で16歳の少女の遺体が遺棄された事件。同じ16歳の少女が自首して、警察の捜査の結果、この少女を含めて6人の人たちが少女に暴力を加えて殺害し、山中に遺棄したということがわかってきた。そして、その少女の仲間のうち三人の少女たち(いずれも16歳)が、事件への関与を認めて出頭してきた。ところがこの少女たちは、ひとを殺害して遺棄したことについては反省の意を示さず、もっぱら自分たちが今後どうなるのか、そんなことばかり気にしていると報道された。これを聞いて筆者は思わず慄然とした次第だ。

晩秋農家:陸游を読む

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陸游の五言律詩「晩秋の農家」(壺齋散人注)

  我年近七十  我 年 七十に近く
  與世長相忘  世と長く相ひ忘る
  筋力幸可勉  筋力 幸ひに勉むべく
  扶衰業耕桑  衰を扶けて 耕桑を業とす
  身雜老農閒  身は老農の閒に雜じはる
  何能避風霜  何ぞ能く 風霜を避けん
  夜半起飯牛  夜半 起きて牛に飯せば
  北斗垂大荒  北斗 大荒に垂る

デトロイト市の破産処理

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モーター・シティと言われ、かつてはビッグスリーが本拠を置いていた米中西部の大都市デトロイトが、財政破たんから、連邦破産法9条の適用を申請した。負債総額は180億ドル(日本円で約1兆8000億円)に達し、自治体の破産としては過去最大規模になる。

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ブログでプーチンのロシアを批判し続け、反プーチン・デモの先頭にも立ってきたアレクセイ・ナヴァーリヌィ(Алексей Навальный)への判決が下った。訴追そのものは、反プーチン・デモに対するものではなく、経済犯罪とされるものだが、この犯罪なるものについて、ナヴァーリヌィは材木の取引に関して国有企業に不利な契約を結ばせ、損害を与えたとして、懲役5年の実刑判決が言い渡されたのだ。

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デューラーは1505年の秋から翌年にかけて二回目のイタリア旅行をするが、それが契機となって一段の進歩を遂げた。それまでは主として版画家として名声を確立していたデューラーが、これ以後は偉大な油彩画家として、世界的な名声を確立するのである。

コモン・ローとシビル・ロー

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筆者は法律の専門家ではないが、それでもコモン・ロー(Common Law)とシビル・ロー(Civil Law)の区別くらいはつく。簡単にいえば、コモン・ローはイギリスの法システムを現す概念で、シビル・ローはヨーロッパ大陸系の法システムを現す概念だということだ。世界的な視野からすれば、シビル・ローが優勢で、イギリスのほか、カナダやオーストラリアなどイギリスの文化の影響を強く受けた国以外には、殆どの国がシビル・ローを採用している。日本ももちろんそうだ。

月と狂言師:谷崎潤一郎の能楽趣味

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谷崎潤一郎が日本の伝統文化に深い関心を寄せていたことは良く知られているとおりで、中でも能については小説の題材に使ったり、あるいは謡曲の一節をふと文中に忍び込ませたりしているほどであるが、自分でも実際たしなんでいたようである。「月と狂言師」という小文は、そんな谷崎の能楽趣味が彷彿と伺われる作品である。

浮草:小津安二郎の世界

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「浮草」は戦前の無声映画「浮草物語」のリメイク作品である。小津はこのストーリーが気に入っていたらしく、舞台を信州の田舎から北陸の雪景色の中へ移し、題名も「大根役者」にかえて作り直そうとしたが、たまたまそう思った年には雪が浅くて絵にならなかった。そこで、あらためて舞台を志摩半島の波切漁港に移して取り直したと、小津自身が語っている。

ジマーマン無罪判決に揺れるアメリカ

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昨年(2012年)2月、フロリダ州で黒人少年トレイボン・マーチンさんが、ヒスパニック系の白人ジョージ・ジマーマンに銃で殺害された事件について、フロリダ州裁判所が無罪判決を出した。ところがこの判決を不服だとして、全米各地で抗議行動が起こった。抗議行動をする人たちの言い分は、この裁判は人種差別の偏見に毒されたもので、加害者の白人に対して甘すぎるというものだ。

現職の総理大臣安倍晋三氏と元総理大臣菅直人氏が、ネット上で中傷合戦をくりかえし、ついには、菅元総理が安倍総理を名誉棄損で訴えるという騒ぎになっている。

南方熊楠の男色談義

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南方熊楠は何人かの文通相手をもっていて、それぞれ特定のテーマを巡り手紙で議論のやり取りをしていた。熊楠の残した学問的業績の少なからぬ部分は、こうした文通の中で展開されたものである。

ロシアの大規模極東軍事演習

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先日、ロシア海軍と中国海軍が共同軍事演習を行い、両軍合わせて21隻の軍艦が、宗谷海峡を通ってオホーツク海に抜けた。これを日本の事情通は、中国の日本に対する牽制と理解したむきが多かったようだが、それだけではないようだ。というのも、今度はロシアが単独で、極東地域ではソ連崩壊後最大となる16万人規模の大軍事演習を、陸海空の三軍共同で行ったからだ。これが、日本を想定した訓練であることは隠しようがない。つまり、中国のみならずロシアも、日本を仮想敵国として、軍事的な準備を怠っていないということを意味している。
自民党の石破幹事長がNHK番組の中で、集団的自衛権について「現行憲法で行使が否定されていると考えておらず行使は論理的に可能だ」と述べたそうだ。安倍首相の意向を踏まえての発言と思われる。というのも安倍首相はかねてから、集団的自衛権の行使について前向きであり、憲法を改正してでも行使できるようにすべきだと、明言してきたからだ。

東方三王の礼拝:デューラーの祭壇画

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「東方三王の礼拝」は、ザクセン選帝侯フリードリヒ三世(通称賢明公)の依頼に基づき、ヴィッテンブルグ城の礼拝室のために作られた祭壇画で、今日その中央部がフィレンツェのウフィチ美術館に、翼部はミュンヘン、フランクフルト及びケルンに保存されている。

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軍によるクーデターが起こった後のエジプトの様子が、いま一つ良く見えてこない。モルシ支持側に51人の死者を出した弾圧騒ぎや、暫定政権による組閣の動きなどについても、断片的に伝わってくるだけで、全貌が見えない。これは日本のマスメディアが鈍感なだけではなく、世界中の有力メディアも全貌を掴めていないということのようだ。

アベノミクスの好調なスタートに気を良くして、安倍自民党の大盤振る舞いがとまらない。参議院選挙を有利に進めようという思惑が働いているらしく、最近は地方へのばらまきぶりに弾みがついている。北海道新幹線、紀伊半島一周高速道路、四国新幹線、東九州自動車道といった具合に、大型の公共工事を次々と約束している。しかし、財源のことには何もふれていない。

ヘーゲルをどう読むか

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バートランド・ラッセルは「西洋哲学史」の中で、「ヘーゲルの諸学説が殆どすべて誤りであるとしても(そしてわたしはそう信じているのだが)、なお彼はある種の哲学のもっともすぐれた代表者として、ただ単に歴史的なものではない重要性を、保持しているのである(市井三郎訳)」と言っているが、これはヘーゲルに限らず、一流と言われる哲学思想家には、多かれ少なかれ当てはまることである。というのも、西洋の精神的な伝統を支えてきた哲学というものは、一方では体系へのやみがたき情熱に駆り立てられながら、他方では体系を築き上げるための礎を必要とするものだが、多くの場合打ち立てられた体系が荒唐無稽の代物になりやすいのに対して、礎の方は別の体系のための土台(方法といってもよい)にもなりうるからである。

クラゲの来襲

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地中海の方々の海岸でクラゲの来襲が頻発するようになっているそうだ。スペインの海洋学者ホセ・マリア・ヒリ(Josep Maria Gili)氏によれば、過去には10年乃至15年の周期でクラゲの来襲が見られたが、近年は、2005、2006、2007、2011、2012、2013年と言った具合に、かなりな頻度で来襲するようになった。このことで、海水浴への影響がでるのは無論、様々な影響が指摘されるという。

マララさんが国連で演説

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昨年(2012年)10月、女性の教育権を訴えたことでタリバーンの怒りを買い、頭に銃弾を受けたパキスタン少女マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんが、16歳の誕生日を迎えた7月12日に、国連本部で演説を行い、「テロリストに口を封じられることはない」と力強く語ったそうだ。

故山:陸游を読む

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淳熙15年(1188、64歳)、陸游は巖州の任期を全うして一旦帰郷、その後軍器少監に任じられて都に赴任した。翌16年、礼部郎中となり、実録院検討官を兼務したが、同年11月弾劾されて職を免ぜられ、故郷の紹興に舞い戻った。

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パウムガルトナー祭壇画は、ニュルンベルグのパウムガルトナー家の依頼に応じて作られた祭壇画で、1503年に亡くなったパウムガルトナー家の当主を記念するためのものである。中央にキリスト誕生の場面が、両翼に聖ゲオルクと聖エウスタキウスの全身像が描かれているが、これらの人物は、パウムガルトナー家の二人の息子の特徴を具有していると伝えられている。

連日猛烈な暑さが続いている、関東地方では6日に梅雨明け宣言が出てから今日までの5日間、猛暑日続きだ。(東京では35度以上が4日続いた後、5日目の今日は34.5度だった)この調子だと、今年は2010年以来の熱波の夏になりそうだと、気象の専門家は予想している。先日の当ブログで、冷夏を予想した筆者としては、大いに恐縮するところで、涼しい穴があったら入り込みたいくらいだ。

谷崎潤一郎の陰翳礼讃

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谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」は、筆者が高校生時代の国語の教科書に載っていたから、これが多分筆者の読んだ最初の谷崎作品だった。もとより全文ではなく、その一部を抄出したに過ぎなかったが、その部分と言うのが、日本家屋の特徴を論じたもので、要するに日本の伝統家屋には陰影がつきものだということを論じた部分であった。

今場所(2,013年夏場所)の最大の見どころは、いうまでもなく稀勢の里の相撲ぶりである。何年ぶりに日本人の横綱が誕生するか。その期待を背負った男が、果して期待通りの成績を上げて、横綱を手にすることができるか。日本人なら誰でも気になるというものだ。

マヤコフスキーについて

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今年の7月7日は、ヴラヂーミル・マヤコフスキー(Влади́мир Влади́мирович Маяко́вский)の生誕120周年にあたるというので、ロシアを始め方々のメディアが彼の業績の意義について回想している。マヤコフスキーといえば、ロシア革命と強く結びつき、ロシア革命を鼓舞し続けた詩人という評価が先に立ったため、ソ連の社会主義が歴史的な意義を剥奪された今日にあっては、マヤコフスキーの意義も軽視されがちである。

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「お早よう」は小津安二郎が久方ぶりに作ったホーム・コメディだ。小津はもともとコメディが得意で、1930年代前半には「生れてはみたけれど」や「東京の合唱」など、多くの喜劇作品を手がけたが、戦時中から戦後にかけては、シリアスなテーマの映画ばかり作った。それがこの作品で、再びコメディ・タッチを取り入れたのだったが、それは馬鹿笑いを誘うようなドギツイものではない。そこはかとなく笑いを誘うといった、やわらかいタッチのコメディだ。

アナルセックスつまり肛門性交のことを鶏姦というが、それは背後から交合する姿が鶏の交尾を連想させるからであろう。だがあえて鶏姦と言う場合にはもうひとつニュアンスが加わるようである。男同士の肛門性交にはこの言葉はあまり使われず、男女間の肛門性交に使われる場合が多いようなのである。南方熊楠はそのことに注目して、男女間の肛門性交について深い分析を加えた。それが「婦女(おんな)を姣童(わかしゅ)に代用せしこと」と題した小文である。

安倍首相の憲法理解

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安倍首相が、先の国会における論戦で、憲法学者の権威として知られる芦部信喜教授について、その学説はもとより名前も聞いたことがないと答弁して、世の中の人々をあっとさせたことは記憶に新しい。この事実から人々は、安倍首相はもしかして、日本国憲法をまじめに勉強したことがないのではないかと、いぶかったものである。もしそうだとしたら、こんなに恐ろしいことはない。

アダムとイブ:デューラーの銅版画

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デューラーの1504年の銅版画「アダムとイブ」は、彼の人体比例研究の成果の中でも、もっともすぐれた作品だとされている。この作品の構図は、男女の身体のプロポーションが理想的な形で表現される一方、彼らの身体を前面に浮かび上がらせるための、技法上の工夫もなされている。

原発各社、廃炉検討ゼロ

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時事通信社が原発10社を対象に廃炉検討の如何を聞いたところ、(福島原発を除き)目下廃炉を検討している会社はゼロだったそうだ。どの会社も、原子力規制委員会の新規制基準の施工にあわせ、フィルター付きベントの設置工事などを進めており、規制委員会の安全判断を得たうえで、再稼働したいと目論んでいる。

エミリー・ディキンソンの詩から「死の床で私は(I heard a Fly buzz - when I died)」(壺齋散人訳)

  死の床で私は ハエがうなるのを聞いた
  部屋の中の静けさは
  嵐と嵐の間のつかの間の
  大気の静けさのようだった

自民党とTBSの猿芝居

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自民党がTBSの取材を拒否したことについては、このブログでも昨日触れたところだが、たった一日で、自民党はその方針を撤回した。昨夜のテレビ番組(BSふじ)に出席した安倍総裁自らが、TBSが謝罪してきたので、この問題は決着したと説明したそうだ。

明州:陸游を読む

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陸游の七言律詩「明州」(壺齋散人注)

  豊年満路笑歌声  豊年 路に満つ 笑歌の声
  蚕麦倶収穀価平  蚕麦 倶に収めて 穀価平らかなり
  村歩有船銜尾泊  村歩 船有り 尾を銜んで泊す
  江橋無柱架空横  江橋 柱無く 空に架して横たはる
  海東估客初登岸  海東の估客 初めて岸に登り
  雲北山僧遠入城  雲北の山僧 遠く城に入る
  風物可人吾欲住  風物 人に可(よ)し 吾住まんと欲す
  担頭純菜正堪烹  担頭の純菜 正に烹るに堪へたり

自民党が、TBSの報道内容が公正さを欠く、として、当面の間、党役員に対する取材や出演要請を拒否することに決めたそうだ。どこが、どう、公正さを欠くのか。自民党の言い分によれば、6月26日放送の「NEWS23」で通常国会会期末の法案処理を報じた際、重要法案の廃案の責任がすべて与党側にあると視聴者が誤解する内容があった、ということらしい。

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1500年、デューラーは、ヴェネチア人画家ヤコポ・デ・バルバリとニュルンベルグで出会い、人体を比例図式に従って描くことについて教唆を受けた。バルバリはあまり詳しくは教えてくれなかったらしいが、デューラーは彼の言葉をヒントにして、その後人体比例の研究に打ち込む。その成果は彼の死後に、「人体比例に関する四書」と題して出版された。

谷崎潤一郎の関西観

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谷崎潤一郎は関西に移住した後すっかりそこが気に入ったと見えて、空襲が激化して疎開を余儀なくされるまで住み続け、関西を舞台にした多くの作品を書いた。「卍」では、関西弁での一人称形式を取り入れるなど、関西文化に熱を入れていたことが伺われるが、その一方で、関西人の一種あくどさといったものに辟易している様子も見せていた。自然なことながら、谷崎の関西観には複雑なものがあったようだ。

階層間格差の拡大と階層間移動の減少

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日本もアメリカ並みに階層間格差が拡大し、しかもその格差が固定化する傾向がみられると指摘されるようになった。そのお手本のアメリカについてだが、ニアル・ファーガソンが.Newsweek に寄せた小論の中で分析している。(The End of the American Dream)

彼岸花:小津安二郎の世界

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小津安二郎は「彼岸花」で、「晩春」と「麦秋」に続き父と娘の関係を取り上げた。それもかなり違った角度から。「晩春」では父親の意向に従って結婚する従順な娘が、「麦秋」では父や兄の意向に逆らってまで自分の気持ちを押し通す強い女性が描かれていた。この映画では、娘は親たちの知らない間に恋人を作る。親には相談もしない。結婚は当事者たちの自由な合意に基づくことなのだ。しかし昔気質の父親たちには、そんなことは受け入れられない。そこで、父親は娘に対して激怒し、かつうろたえるということになる。そんな場面を描いたところから、この映画はコミックな雰囲気をたたえた作品になっている。

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今年のヨーロッパな熱波の夏になりそうだ、と気象の専門家が予想しているそうだ。その暑さは、2003年を上回りそうだという。2003年のヨーロッパは、連日華氏100度(摂氏37.8度)以上の日が続き、ヨーロッパ中で52000人以上が熱中症で死んだと言われる。今年は、熱さの上ではその2003年を上回る可能性があるというのだから、十分な対策が講じられないと、2003年以上の被害が生じるかもしれない、と関係機関は神経をとがらせているそうだ。

IT端末でお勉強

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写真(Das Spiegelから)に映っているのは兄妹。お兄ちゃんのほうは iPad を操り、妹のほうは iPhone をいじくりまわしている。でも、この子たちは、ただ遊んでいるわけではありません。お勉強をしているのです。

摩羅考:南方熊楠の男根談義

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摩羅とは男根の異名である。その異名がいつのころから用いられるようになったか、またそのきっかけはいかなることであったか、について南方熊楠が興味深い談義を展開している。"「摩羅考」について"と題する小文がそれである。

ペンギンの銀河 NGC2936

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写真(NASAから)は、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた天体の映像。ペンギンが卵を抱え込もうとしているように見える。これらはどちらも独立した銀河で、ウミヘビ座の方角に地球から3億2600万光年離れたところにある。ペンギンの形をしたものはNGC2936、卵の形をしたものはNGC2937と名づけられている。ペンギンは巨大な渦巻銀河である。

芝草:デューラーの水彩植物画

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デューラーは植物を水彩で描いたものをいくつか残しているが、それらも動物同様非常に微細な部分まで対象を忠実に写し取っていることが特徴である。デューラー以前に、植物を独立した価値を持ったモチーフとして取り上げた画家はいなかったし、植物を描いた場合でも、デューラーほどそのリアリティにこだわった画家はいなかった。そういう意味で、この作品は美術史上ユニークな地位を占めるに値するものなのである。

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