韮山の里で国宝に出会う:伊豆長岡の旅その四

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食後再び自転車を連ねて韮山の里道を走ったが、筆者だけはどうしても遅れがちになった。それもそのはず、他の四羽は性能のよい自転車なのに、筆者だけは普通の足こぎ自転車、同じ速度で足を回転させては、追いつかないのだ。かといって、回転速度には限界がある。というわけで、筆者はどうしても遅れがちになるのだった。

午後一番に訪ねたのは成福寺という北条氏の氏寺だった。北条時宗、正宗親子の墓があるほか、最近できたばかりと思われる納骨堂があって、壁には既に中に収められた人々の名前と並んで、これから入る予定の人々の名前も書かれていた。死後自分の墓を守ってくれるもののない人たちは、こうした納骨堂に入るか、共同墓地に入るしか道がないわけだね、と皆で妙な関心をした次第だ。

次いで、願成就院というところを訪ねた。ここがどんな由来の寺なのか、事前に何も知らなかったのだが、ここでも寺の女住職さんが出てきて色々と案内してくれた。ここは何でも、北条政子の父北条時政が、娘婿頼朝の奥州藤原氏討伐の成功を祈念して建てた寺だといい、その際に、当時の一流仏師運慶を都から呼び寄せ、阿弥陀仏ほか数体の仏像を彫らせた。そのうち、日光月光二体の脇侍仏は焼失してしまったが、本体仏のほか不動明王二童子立像、毘沙門天立像が残っており、いずれも国宝に指定されているそうだ。こんなところで国宝に出会えるとは思わなかったので、大いに感激した次第だった。

次いで、政子の産湯の井戸というものを訪ねた。一応ガイドブックにはそれらしく載っているのだったが、現地に来てみると看板もたっておらず、枯れ井戸が口をあけて、そこに雑草が生い茂っているだけだった。だから事前の知識がないと、見逃してしまう。

こんなわけで、名所旧跡めぐりをしてすっかり教養を深くしたところで、サイクリングを切り上げ、東京へ戻ることにした。

伊豆長岡駅から伊豆箱根鉄道に乗って、三島で新幹線に乗り換えると、車内はガラガラの状態。そこで、駅の売店で買ったビールを飲みながら、とりとめのないおしゃべりを楽しんだ次第だった。

東京駅に着くと、どこかでお茶でも飲みましょうということになったが、駅の構内はどこもものすごい人出。コンコースにある喫茶店にはとても入れるどころではない。といって八重洲地下街に出てみたが、ここも人でごったがえしていて、どの喫茶店も満員だった。しばらく来ないうちに、東京駅も大分賑やかになったものと見える。恐らく、夏休みの家族連れの外出が増えているのと、改造してリニューアルした駅舎を見物に、大勢の人が繰り出したのかもしれない。

やっと見つけた席で、コーヒーを飲みながら、最期のおしゃべりをした。主な話題は次に行く旅行のこと。今回は東北旅行が計画倒れになったので、秋に仕切り直しの旅行をしましょうよ、ということになり、それではどこがよいかというので、筆者はネットで見つけた台湾旅行のツアーを紹介してあげた。それをほかのみんなも気に入ってくれたので、今年の11月か12月の始めに、台湾一周の旅をしましょうよ、ということに落ち着いた次第なのであった。

ともあれ、みなさんお疲れ様でした。また会える日を楽しみにしています。(写真は願成就院の庭に置かれてあった石像たち:講の人々なのだそうだ)


関連サイト:あひるの絵本 





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