朝日新聞記者にも取材妨害:エジプトの大虐殺

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先日、TIME誌の記者がカイロの虐殺事件を取材中、地元の自警団から取材妨害を受けたことについて、このブログでも紹介したところだが、日本の朝日新聞の記者も、同じような妨害を受けたということだ。(8月19日朝刊記事)

その記者は、8月18日にラムセス広場で暫定政権派のデモを取材していたところ、一人の少年が「何をやっている」と叫びながら近づいてきて、カメラを掴み、メモリーカードを取り出して人ごみに消えた。しばらくすると、今度はサングラスをかけた私服の警察官がやってきて、警察署へ連行された。そこには少年が持ち去ったメモリーカードが置かれていた、というのである。

このことから、この記者は、ムバラク時代のように、警察が社会の隅々まで監視する体制に逆戻りしつつあるようだと感じたそうだ。

この記者はまた、メディアが暫定政権のコントロール下に置かれ、暫定政権の正統性を強調する一方、モルシ支持派のデモ隊をテロリスト呼ばわりすることへの、不自然さも感じとっている。

なお、この日の暫定政権側のデモは、「軍と国民はひとつ」と叫んだり、シシ将軍の肖像を刷り込んだプラカードを掲げていたようだ。Newsweek が分析しているように、軍による権力簒奪とシシの個人崇拝があからさまに進んでいると考えられる。

(参考)The quiet general By Mike Giglio & Christopher Dickey Newsweek






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