米豪共同防衛体制と集団的自衛権

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今日(9月16日)付朝日の朝刊が「豪、米戦略の最前線」という見出しで、米豪両軍の共同軍事演習の模様を伝えている。オーストラリア東海岸の無人島タウンズエンド島を舞台にした訓練で、オーストラリアの一部が仮想敵国カマリアに侵略されたという想定で、カマリア軍の撃退と航行の自由を目指した活動を展開するのだという。

仮想敵国カマリアが中国を指すのは明らかだ。その中国を相手にして米豪両国の軍隊が共同して作戦を展開するというのは、ニュージーランドを加えた三国の間にいわゆるアンザス条約があり、三国が集団的自衛権によって緊密に結びついているからだ。この地域にいったん危急の軍事的事態が生じた場合には三国が共同して対処する、そういうコンセンサスが出来上がっている。そのコンセンサスに基づいて、仮想敵国中国を相手に想定した共同軍事演習が行われたということなのだろう。

オーストラリアはこれまでも、アンザス条約に基づいて、ベトナム戦争や朝鮮戦争に派兵してきたし、9.11以降はイラクにも派兵してきた。いずれも条約が規定する集団的自衛権を適用したものだ。

日本も集団的自衛権が行使できるようになれば、オーストラリア同様、米軍と一緒になって世界中で戦争ができるようになるわけだ。

ところで、アジア太平洋地域に展開する米軍のうち海兵隊の規模をこの記事は紹介しているが、それによれば、全体の規模は約2万5600人、そのうち日本が約1万8400人、ハワイが約6600人ということだ。なんということはない、この地域の米軍海兵隊のうち半分以上は日本が面倒をみているわけである。ちなみにオーストラリアに配置されている海兵隊はわずか28人である。ということは、アンザス条約による米豪の集団的自衛権の少なからぬ部分を日本が陰で支えているということだ。







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