堺市民は大阪都への不参加を選んだ

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今回の堺市長選挙は、所謂大阪都構想への参加の可否が争点になった「争点選挙」の典型だったわけだが、その結果、不参加を表明していた現職が、参加を訴える維新の会の新人を大きくリードする形で勝利した。つまり、堺市を巻き込んだ形での大阪都構想を主張していた維新の会が敗れたわけで、今後、大阪府と大阪市だけで大阪都構想を目指すのか、また目指せるのか、微妙な状況になってきた。

そもそもこの大阪都構想なるものが十分に議論したうえで法制化されたわけではない。維新の会の勢いに押される形で、自民党や民主党が歩み寄り、行き当たりばったりのような状態で法制化されたものだ。地方自治の理念とどのように折り合うのか、また時代遅れと批判の多い現行都道府県制度の将来像とどのような係わりが生まれて来るのかについて、ほとんど何の議論もなされていない。こんな状態では、大阪都になることで何かメリットが生まれるのか、誰も納得のある説明などできない。これを主張している連中の言い分は、説明と言うより、宣伝と言った方がいい。政治勢力の拡大を目的にしたプロパガンダのようなものだ。

それにしても、今回の選挙は、一時飛ぶ鳥を落とす勢いのあった維新の会の退潮ぶりを強く印象付けた。ツートップの二人が日頃発する言説に、有権者がようやく危険な空気を感じ始めたということかもしれない。とすれば、日本の政治のあり方にとって、いい傾向だといえよう。


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