張成沢粛清の意味:金正恩に改革は期待できない

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北朝鮮のナンバー2といわれ、金正恩の義理の叔父でもあった張成沢が、粛清されたうえに死刑に処せられたというので、世界中がびっくりしている。こうした粛清劇は北朝鮮にはつきものだったわけで、あらためて驚くほどのことでもないという見方もあるが、張成沢がこれまで果してきた役割や彼が金正恩の叔父であったことなど、そして過去の類似の例との比較などを考慮すると、やはり異常といえるほどのインパクトはある。

粛清の原因分析はともかくとして、その政治的効果についていえば、北朝鮮の改革へのモメンタムが小さくなることが予想される。というのも張成沢は主に経済分野を中心に改革開放に意欲を示してきた人物であり、その方面では対中関係の窓口ともなってきた。それを金正恩は粛清したうえ殺してしまったわけだから、改革開放の動きにブレーキがかかるだろうということは十分に予測できる。

また、張成沢がいなくなったことで、保守派、とくに軍部の力が一段と強まることが予想される。今後国際的に孤立を深めるようなら、軍部による冒険主義的な動きも強まるだろう。

こんなわけで、北朝鮮の今後の動向が、非常に読みにくくなってきている。少なくとも、金正恩に改革は期待できないだろう。(写真は軍事パレードを視察する金正恩と張成沢:ロイターから)







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