古代エジプト人醸造家の華麗な墓

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写真(APから)は、エジプトはテーベの谷の墳墓群の一角から発見された壁画の一部。いまから3000年前に死んだエジプト人醸造家の墓のなかから発見されたものだ。古代エジプト人の信仰や生活の一端が伺われるので、非常に貴重な価値を持つ資料といえる。

発見したのは日本の考古学研究グループ。早稲田大学の近藤次郎教授らのグループが、テーベの谷の王墓を発掘調査する過程で見つけたものだ。見つけたのは2007年のことだったが、その後、王墓群一帯の保存修復作業が行われ、今回その一端が公開されたというわけだ。

この墓の主は、コンゾ・イム・ヘブ(Khonso Im-Heb)と言う名の醸造業者とその妻。死んで墓に入るにあたり、冥界の王アヌビスと死と再生の女神イシスへ挨拶する意味で、この壁画を描かせたらしい。この部分の上段には、坊主頭のコンゾとその妻が礼拝する姿が描かれ、その左手にはイシスが、右手にはアヌビスが描かれている。また下段にはコンゾ夫妻の日常生活の一端が描かれているようだ。

古代エジプトの墓と言えば、ツタンカーメンを始め歴代の王たちのものばかりだと思っていたが、裕福な商人たちにも、このような墓を作ることが許されていたわけだ。恐らく彼らは莫大な富をもとに、王たちに貢物を欠かさなったのだろう。でなければ、こんな豪勢な墓の築造が許されたとは考えられない。







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