秋瑾の七言絶句「酒に對す」(壺齋散人注)
不惜千金買寶刀 千金を惜しまず寶刀を買ひ
貂裘換酒也堪豪 貂裘 酒に換ふれば 也(また)豪たるに堪へん
一腔熱血勤珍重 一腔の熱血 勤めて珍重せば
灑去猶能化碧濤 灑ぎ去りて猶ほ能く碧濤に化すが如し
千金を惜しまずに宝刀を買い、貂裘を酒に換えれば豪傑の名に値しよう、満腔の熱血を大事にしておけば、いつかはそれを灌ぎだして碧血の波頭と化すこともあろう(貂裘:貂の皮衣、貴重なものの意、一腔:満腔に同じ、碧濤:碧血の波濤、碧血とは国士の血をいう)
秋瑾は刀剣に興味を示し、結構な数を求めたようだ。また、酒に酔った時には、刀剣を振り回しながら舞ったという。この歌はそんな際に作ったものだろう。
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