秋瑾の七言絶句「闕題(題を欠く)」(壺齋散人注)
黄河源溯浙江潮 黄河の源は溯る 浙江の潮
衞我中華漢族豪 衞れ我が中華を 漢族の豪よ
莫使滿胡留片甲 滿胡をして片甲を留めしむる莫かれ
軒轅神冑是天驕 軒轅の神冑は是れ天驕なり
黄河の源はここ浙江の逆流に遡る、守れ我が中国を漢族のつわものよ、満州の野蛮人どもを一人として生かすな、黄帝の子孫たる我々こそ天下のあるじなのだ(浙江潮:銭塘江の有名な海嘯「逆流のこと」をさす、使:~をして~せしむ、と読む、軒轅:中国の伝説上の祖先黄帝をさす、神冑:神の子孫、天驕:天の驕れる者、覇者の意)
秋瑾最晩年(といってもわずか31年の生涯だが)に至って、いよいよ革命にまい進するに当たり、その覚悟の気持ちを歌ったものだろう。
黄河の源が浙江の潮に溯る、と言っているのは、自分のいるこの浙江省から自分の手で革命を成功させ、もって新しい中国の国造りを実現するのだという気負いが込められていると考えられる。
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