小学1・2年生の交通事故は子どもの不注意だけが原因か?

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読売(Web版)が、「小学1・2年の交通事故、5月以降多発」と題する記事(4月21日配信)の中で、五月以降に小学校1・2年生の交通事故が多発する原因について、「分析」を加えている。

この記事は、「歩行中に交通事故に遭って死傷した小学1年生は、2009~13年の5年間で計1万640人、2年生は9222人いた。学年が上がるにつれて減り、最も少ない6年生は2763人だった」として、小学校1・2年生が事故にあいやすいということをまず指摘したうえで、このうち「5~7月に死傷した1、2年生は計6044人で、うち3903人(65%)は放課後の午後2時~6時に事故に遭っていた。登下校中のほか、放課後や休日に友人らと遊んでいて事故に遭うケースが目立ち、公園から出たボールを追いかけて路上に走り出るなどする「飛び出し」で、2334人が死傷していた。「横断歩道がない場所での横断」と「信号無視」も計616人いた」と書いている。

これではまるで、交通事故の原因はもっぱら子どもの不注意にあると言っているように聞こえる。ここで読売が子どもの不注意として挙げているのは、「飛び出し」、「横断歩道がない場所での横断」、「信号無視」だが、これらを合わせても全体の49パーセントで、つまり半分に及ばない。残りの半分以上の子どもが、どのような原因で事故にあったか、この記事からはわからないが、その中にはドライバー側の責任に帰するものもかなり多いと思われる。

そのことには全く触れずに、子どもの側の責任ばかりに言及しているこの記事は、かなりバイアスのかかった記事だと言わざるを得ない。

こんなことを言い出すのは、最近のドライバーに交通モラルの欠けたものが多くなっていると感じているからだ。筆者は毎日散歩するが、そのさいに、自動車に危険を感じることが非常に多い。一時停止の場所で停止しない、そればかりか横断歩道を渡りかけている歩行者を無視して走ろうとする、踏切を渡りかけている他の車両を無視して進路妨害のようなことをする、こんな危険なことを平気でするドライバーが非常に多い。

そんなドライバーに遭遇したら、筆者のような大人でさえヒヤヒヤするのであるから、まして小さな子どもの場合には、よけることもできずに、ぶつけられてしまうと思う。読売は、子どもの飛び出しばかりを非難しているようだが、そんな場合でもドライバーが十分な注意を払っていれば防げたものが多いと思われる。





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