毛筆:正倉院宝物

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正倉院には天平時代の筆が十八本伝わっている。そのうち東大寺の大仏開眼に用いられた大筆(長さ56.6cm)を除く17本はすべて実用品で、雀頭筆と呼ばれるものである。筆管はおおむね太く、穂は紙を芯にして毛を巻き込んだもの、その形が雀の頭に似ていることから雀頭筆と呼ばれた。なお、毛の材質には、兎毛、狸毛、鹿毛があって、それぞれ用途が違う。兎毛は経文の本分を写すのに使い、狸毛は題書に、鹿毛は罫線を引くのに用いたという。

上の写真の左は斑竹管牙白銀荘筆といい、斑文のある管の両側に銀帯を巻き、宝珠のような形の象牙の飾りをつけている。筆の部分を包む帽は、竹を割って造り、先端に象牙の飾りをつけている。

中のものは梅羅竹管牙頭黄金荘筆といい、管の両端に黄金の帯飾りをつけている。なお、毫は脱落して芯の巻紙が露出している。

右は豹文竹管牙頭筆といい、豹の斑紋のような模様を施し、管頭に象牙の飾り物をつけている。その右上はこの筆の帽、その下は他の筆の帽である。

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