オバマ外交に厳しい米メディア

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オバマ来日の成果を評価して、筆者は「安倍首相はオバマ大統領をうまく料理した」と書いたが、そのオバマ大統領の米国内での評価はもっと厳しいようだ。NYTは、中東和平交渉の頓挫と並ぶ挫折だといって、オバマは日本が熱望していた防衛義務の確認に踏み込んだ言説を与える一方、TPPでは何も獲得することができなかったとオバマを批判している。(Obama Suffers Setbacks in Japan and the Mideast By Mark Lander and Jodi Rudorenapril)

WPのほうは、TPP問題に絞って、オバマは日本に何も譲歩させることができなかったといって、これはもっと厳しく批判している。(Obama's Asia trip off to a bad start with failure to reach agreement on trade in Tokyo By Juliet Eilperin and David Nakamura)

一方日本のメディアは、安倍首相の成果に好意的で、とりわけ尖閣の防衛義務を大統領自らの口から確認させたことを大きく評価している。メディアのなかには、自分の国の首相を持ち上げるあまり、カウンターパートのオバマを貶めるような論調も目立つ。

産経などは、例の調子で、オバマと会食しても仕事の話が多かったという安倍首相の「愚痴」を紹介しながら、オバマがあたかも朴念仁であるかのような書き方をしているし、また、オバマが韓国で従軍慰安婦の問題について日本側を批判するような発言をしたことをとらえて、これは韓国に言わされているのだろうと、オバマを子ども扱いする有様である。

なにかとアメリカの風下に立たされがちな日本が、今度ばかりは相手の鼻をくじいてやった、と言わんばかりだが、あまり調子に乗っていると、次はどんな目に会うとも限らないから、もうすこし、自分の柄をわきまえたほうがよい。(写真はNYTから)






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