TIMEの安倍首相へのインタビュー

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米誌TIMEによる安倍首相へのインタビューがWEB上にアップされているのを読んだ。日米関係、日中関係、尖閣問題、アジア太平洋戦争についての認識、靖国参拝問題、従軍慰安婦問題、憲法改正など幅広い問題についてインタビューが行なわれているが、どのイシューについても、安倍首相はそつなく答えていた。従軍慰安婦問題については、第一次安倍政権で、強制性はなかったとする閣議決定を行ったことには触れたが、今は河野談話を見直すつもりはないと答えて、この問題が政治化する事態を回避しようとする意思が働いているように受け止められた。

興味深いのは、父方、母方双方の家系の政治家たちに触れた部分だった。特に岸信介については、強いこだわりを感じさせた。母方の祖父である岸に対する安倍の深い尊敬を考慮してか、TIME側も岸をA級戦犯として逮捕・拘束されたとは言わず、連合軍によって抑留されたという表現をしていたが、これに気をよくしたのか、安倍の方も、岸は逮捕されはしたが訴追はされなかったとして、無罪であることを強調したいかの雰囲気が伝わってきた。まあ、骨肉のことがらであるから、無理もないといえるかもしれない。

いわゆるアベノミクスに話題が及ぶと、これは自分の最大の手柄だということで、大いに胸を張っていた。

こんな調子で、このインタビューは、穏健な話題設定のもとで、当たり障りのない事ばかりいわせたという感じが強く、迫力に欠けると言わざるを得ない。TIMEは基本的には保守的なスタンスをとっており、日米同盟を重視する安倍首相は、大事にしたいということなのかもしれない。





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