ブラックの自覚がない企業

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いま問題になっているブラック企業について、そういわれるに値する条件をどう考えているか、学生側と企業側の認識の違いについて、毎日が取材記事を書いている。

その記事は、「ディスコ」という就職支援会社が実施したアンケート調査結果を紹介したものだ。このアンケートは就職活動中の学生1650人と、企業の採用担当者1000人を対象に実施したものだが、その結果、ブラック企業についての認識が、学生側と企業側とでは大きく相違していることがわかったという。

「ブラック企業と思われる条件」のなかで最も多かったのが「残業代が支払われない」で、これは学生側が75パーセント、企業側が78パーセントとあまり大きな相違はなかったが、「給与金額が低すぎる」は、学生が48パーセント、企業側が24パーセントと差が大きくひらいた。

ブラック企業の目安となる「新卒者の入社3年後の離職率」について、学生36パーセントが三割以上を挙げたのに、企業側は53パーセントが五割以上をあげた。また、一か月の残業時間については、学生の24パーセントが「40~60時間未満」を挙げたのに、企業側の34パーセントは「100~120時間未満」をあげた。

対象となった企業は、かならずしもブラック企業ではなく、ごく普通と思われているところらしい。そういう企業の多くが、「新卒者の入社3年後の離職率」が半分程度ならあまり問題ないと考え、一か月に「100~120時間未満」の残業は当たり前だと考えていることになる。月100時間と言えば、毎日四時間以上の残業が常態化しているということであり、現行の労働基準法に違反している事態だ。それが普通だと考えているのだから、驚くほかはない。

どうもいまの日本企業は、労働者を安い給料で際限なく使っても、あまり問題はないと考えているようだ。こんな調子の所へ、「残業代ゼロ」制度が導入されたら、どんなことになるか。うすら寒い光景が思い浮かぶばかりだ。






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