天平時代の陶器:正倉院宝物

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(二彩皿、口径14.6cm、高さ4.2cm)

正倉院には、磁皿と称するものが29口、磁鉢と称するものが25口伝わっているが、いずれも彩釉陶器である。それもわが国最古の彩釉陶器である。

この二彩皿は、素焼きした後に白土の化粧を施さず、緑、白の順に釉薬を塗っている。簡素ですがすがしいところが、日本的だと評価されている。これを含めて正倉院保存の磁皿は、いずれも聖武天皇の聖母藤原宮子の一周忌の法要の際使われたものである。

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(三彩鉢、口径27.0、高さ15.8cm)

磁鉢は、僧侶が托鉢に用いる鉄撥の形をしている。あるいは東大寺の僧侶が托鉢に用いたのかもしれない。口の部分が欠けたものの多いことが、その推測を有力にしている。

外面、内面共に、白、緑、黄の釉薬を塗り、外面には鋸歯状の文様を施してある。

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