漆胡瓶:正倉院宝物

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(漆胡瓶、高さ41.3cm)

正倉院には瓶が三口伝わっている。漆胡瓶、白瑠璃瓶、二彩の磁瓶が各一口ずつである。そのうちこの漆胡瓶と白瑠璃瓶は、ともに注ぎ口を鳥の頭にかたどり、把手をつけてある。胡瓶というのは、ペルシャ風の瓶と言う意味であり、この瓶もペルシャ風にデザインしたものを唐で作ったというふうに推測されている。

薄い板を巻き重ねて本体を形作り、その上に漆を塗り、そこへ平脱の技法を用いて草花や動物の文様を施してある。平脱とは、文様の形にあわせた金や銀の薄板を張りつけるというもので、ここでは銀が用いられている。

この瓶は、ペルシャ式の形と唐で発達した漆芸とが融合したもので、東西文化の交流の跡を確認することが出来る。

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