千葉県の習志野市にある谷津バラ園は、かつては谷津遊園といった広大な遊園地の一角にあった。その遊園地は、海水浴場を売り物にして、それに付随して子どもの遊戯施設などがあった。バラ園もそんな付随施設の一つだったわけだ。その後、谷津遊園の本体と言える部分は無くなってしまったが、バラ園だけは残されて、いまでも花好きの人々を引きつけている。
園内は対して広くはないが、世界中のバラの品種が植えられていて、さながらバラの博物館といった観を呈している。バラの花の鉢の販売も行っているので、気に入った花の鉢を持ち帰って、我が家で楽しむこともできる。
この絵は、5月のバラの花盛りに、バラ園の様子をスケッチしたものだ。園内には、乙女の白い石膏像があちらこちらに置かれていて、アクセントを添えている。これは、その白い像に、肌色で色をつけて、あたかも本当の乙女であるかのように、ちょっぴり遊び心を加えて描いたもの。
(28×38cm、ファブリアーノ水彩紙300g、2014年)
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