平等院鳳凰堂雲中供養菩薩像:藤原彫刻2

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(平等院鳳凰堂雲中供養菩薩像五十二躯、木造40数cm~60数cm)

平等院鳳凰堂の阿弥陀如来を安置する堂内の長押の上の壁に、雲中供養菩薩像と呼ばれる五十二躯の像が掛けられている。僧侶や比丘尼の姿を現したもので、それらが雲中にあって、供養をしていたり、立って舞っていたり、あるいは音楽を演奏していたりする姿が表現されている。死後生まれ変わる浄土とは、このように楽しくすばらしい世界なのだということを、視覚的に現したものであろう。

姿の多様さとならんで、構造もさまざまである。一木作りのものがあったり、寄木作りのものがあったり、材を縦に用いてみたり、横に用いてみたりといった具合である。これらはレリーフの一種と見てよく、レリーフ類の少ない我が国の美術史上ユニークな位置を占めているといえよう。

これらの像は、本尊と同じ時の製作と認められるので、そのうちのいくつかは定朝自らが製作したものであろう(どれがそれにあたるのかは、詳しくわかっていない)。

なお、これら五十二躯の像のうち、半分の二十六躯については、壁から切り離されて、鳳凰像二体ともども、別院の鳳翔館に展示されている。そこで見ると、各像をより詳細に見ることができる。

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