(法界寺阿弥陀如来像、木造、漆箔、像高227.0cm)
法界寺は日野氏の氏寺として十一世紀の半ばごろ、薬師如来を本尊として建てられた。その後、阿弥陀信仰の広がりにしたがって、阿弥陀堂を併設するようになった。現存する阿弥陀如来像(国宝)は、十一世紀末に作られたと考えられている。
この像は、もともとこの寺にあった定朝作の丈六の阿弥陀像を手本にして作られたと古記にある。たしかに様式的には、鳳凰堂の阿弥陀像に似ているところがある。しかし、全体としてふくよかな感じで、その分親しみやすさは感じさせるが、宗教的な荘厳性には劣るともいえる。
ともあれ、定朝様式の丈六仏のうち最も早い時期の作品として、歴史歴な価値が高いとされている。
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