(京都万寿寺阿弥陀如来像、木造・漆箔、像高281.0cm)
万寿寺は京都東山の東福寺の塔厨のひとつ。この阿弥陀如来像はその本尊であったが、明治以降長らく京都国立博物館に寄託されており、現在は東福寺光明宝殿に保存されている(非公開)。
もとは後白河法皇の皇女郁芳門院の六条御堂の仏だったとする説もある。この説が正しければ、この像は永長二年(1097)に作られたということになる。ともあれ、定朝様式を伝える作風であり、十一世紀末の作品と考えることができる。
全体を前後で二分割し、それぞれを寄木で作っているところは、鳳凰堂の阿弥陀如来像と同じであるが、前部が二材であるのに対して、後部が四材でできている点、鳳凰堂のものよりやや細かい。
円満な表情とふくよかでまとまりのよい姿は、鳳凰堂の阿弥陀如来に非常によく似ている。
関連サイト:日本の美術
コメントする