アラル海が消える!

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アラル海といえば、かつては世界で四番目に大きい湖として、世界地図の上にデンとした形で載っていたものだ。かつては、と但し書きを入れたのは他でもない。近年は水量が激減して次第に規模を縮小させ、ついには消滅する可能性さえ出て来たのだ。上の写真(NASA提供)を見て欲しい。実線で囲った内側が1960年代半ばのウラル海の姿なのに対して、50年後の今年(2014年)には、ダークグリーンに映っているところまで縮小したことがわかる。わずか50年の間に、アラル海には何が起こったのか。

基本的な原因は周辺地域の潅漑のために大量の湖水が抜かれ続けてきたことにある。それに加えて今年は周辺部での雨や雪の降り方が少なく、一気に水量が激減したという。要は、人間の行為が基本的な原因となって、それを自然現象の気まぐれが加速させたということのようだ。

かつての巨大な湖が干上がった例として、中国長江流域の鄱陽湖が上げられる。こちらは三峡ダムの完成によって長江からの流入水が極端に減少したことが原因だった。

どちらの例も、水をコントロールする目的で始められた事業が、肝心な水の枯渇をもたらしているわけである。皮肉と言うほかはない。

ところで、アラル海の消滅は周辺地域の砂漠化を加速させるだろうと推測されている。鄱陽湖の干上がりによって周辺地域がどのような影響を蒙ったか、是非詳しく知りたいものだ。







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