電車から中吊り広告が消える

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電車の中吊り広告といえば、日本の風物詩のようなものだったが、それが近い将来に消えていきそうだという。まずは、山手線から。2015年の秋以降に導入される新型車両から順次、車内広告は窓上に設置する液晶画面に一元化し、中吊り広告は廃止していこうというのだ。これによってすぐに中吊り広告がなくなるわけではないらしいが、いずれ消えてなくなる日がやって来るだろう。

中吊り広告については色々な意見がある。世の中の状況を知る上での一つのメディアとしての意味があると積極的に評価するものもあれば、下品とか見苦しいとか言って消極的に評価する見方もある。筆者などは、消極的な見方をとる方だ。

中吊り広告と言えば、大部分は週刊誌を始めとした雑誌の広告なら成るが、一目あるいは一読してわかるように、そこに書かれている文字は、人々の欲望を煽るような扇情的で下品なものが殆どだ。まさに、便所の落書き並といってよい。こんなものを便所の中ならぬ、列車の車内で見せつけられるのは、あまり気持のいいものではない。というよりか、みっともない限りだ。

電車内に中吊り広告が氾濫している光景は、日本以外には見られない。欧米諸国の都市ではこんな光景は見られないし、また、アジア的混沌の坩堝と言われる香港でさえ、こんなものは見られない。まさに日本に特化した異様な光景だ。日本の国内にいる限りはあまり意識に上らないが、世界的な視野から見れば、日本特有のガラパゴス的な現象ということになろう。

中吊り広告に代るものとしては、液晶画面を利用したデジタル広告が主流になるようだが、画面が変ることを機会に、中身の方も変えて欲しいものだ。便所の落書きのような下品なものを、相も変わらず液晶画面に表示するようでは能がない。上品さということまでは要求しないまでも、下品さを感じさせないような工夫をしてもらいたいものだ。





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