鳥獣戯画4(逃げる猿)

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続いて、逃げる猿と、それを追いかける兎と二匹の蛙。前の画面で、犬と兎が後ろの様子に気を取られていたのは、この追いかけっこのことだったようだ。

猿は後ろを振り向きながら、余裕のある表情をしている。一方、追いかける方の三匹は、みな必死の表情に見える。特に蛙は、二匹とも大変な権幕だ。右手を振り回しながら、絶対に許さんぞと叫んでいるようである。

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蛙が仰向けになって、腹をさらして伸びている。どうやら、逃げていた猿の仕業らしい。それで、仲間をこんな目に会わせた猿に、蛙たちが腹をたてたのだろう。

伸びた蛙を、二匹の兎が介抱しているが、何故かもう一匹いる蛙のほうは、ほとんど無関心と言った表情で、なにやら手を動かしている。

この騒ぎを聞きつけて、犬や狐たちも集まってきた。狐は市女笠をかぶり、子狐を伴っている。子狐はニコニコと笑っているように見える。恐らく、隣にいる兎と冗談を交わしているのだろう。

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