鳥獣戯画5(蛙と兎の相撲)

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二匹の蛙が、縄や扇を使って蛙踊りを踊っている。フランスでは、動物の踊りと言えばカモシカ踊りが有名で、かのヴェルレーヌもその様子を歌に歌っているが、日本では鳥羽僧正の時代より、蛙踊りということになっているようだ。二匹の愉快な踊りを見ようとして、大勢の動物たちが集まってきた。

立烏帽子をかぶった猫と蛙、うちわをもった兎、その衣の影には二匹の子ネズミが臆病そうにあたりを見回している。左手には、市女傘を被った猿やら、尼衣をまとった狐と鴨、それに兎と犬らしい生き物もいる。みなそれぞれ蛙踊りを見て楽しんでいる様子が伝わってくる。

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その隣では、蛙と兎が相撲をとっている。兎の見物が仲間の兎に声援を送っているが、勝負はいまのところ互角のようだ。だが、蛙の方は、兎の耳に噛みつき、外掛けの技を仕掛けている。どうやらこの調子だと、余程のことがないかぎり、蛙の方に軍配が上がりそうだ。

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これは、蛙が兎を投げ飛ばしたところ。前の場面の延長なのかもしれない。蛙が兎を投げ飛ばしたので、仲間の蛙たちは大喜び。両手を振り回したり、地面にうつ伏したりして、感激を表現している。

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