膨らむアベバブル

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アベノミクスの浮かれ騒ぎに呼応するかのように、東京の株価も1万8千円の大台に乗った。その背景には、120円を突破した円安の動きがあることはいうまでもない。ともあれ安倍政権とその仲間たちは、この事態を以て、あたかも日本経済全体が好くなっているかのように言いふらしているが、果してそうか。筆者には、ただのバブルとしか見えない。

理由はいくつかあげられるが、その一つは、先日当ブログでとりあげた円安傾向と輸出の相関だ。経済学の常識では、円安になれば、輸出も増えるということになっているが、金額ベースではともかく、実質ベースの輸出量は全然増えていない。ということは、円安産業でさえ、景気が上向いているとは言えないというのが現状だ。ましてや、輸出とは縁のない産業分野では、円安の悪効果ばかりが表面化し、庶民の暮らしに至っては、ますます苦しくなっているというのが実態だ。

そんななかで株価ばかりが上がるのは、円安による大企業の収益改善に気をよくした投資家たち(その大部分を海外投資家が占める)が、利食い売りを前提にした買いに入っているからだ。こうした投資マネーが、日本の株価を押し上げている。それは経済の実態を反映しているのではなく、儲かるかもしれないから投資しようという、投資マインドに基づくものだから、実態性の裏付は弱い。

こんな事情から、筆者は現下の浮かれ騒ぎをバブルと見ているわけだ。このバブルを膨らましているのは、いうまでもなくアベノミクスだ。アベノミクスによるバブルだから、筆者はそれをアベバブルと呼ぶ。







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