安倍晋三は「日本を破滅させた男」になるか?

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「週刊東洋経済」の新年号に眼を通していたら、目先の景気動向についての予測と言うか、希望的な観測のようなものを、自称エコノミストたちがおしゃべりしている中で、辛口の予測を目にした。日本の首相安倍晋三は「日本を破滅させた男」として歴史に名を残すでしょう、というのだ。言っているのはジム・ロジャーズ。あのジョージ・ソロスと並んで著名な投資家として名を知られた人物だ。

その理由は、安倍政権が無際限にお金を摺り増しし、円の価値を破壊しているからだという。こういうやり方は、短期的には、一部の人たちに恩恵を及ぼすが、中長期的に見れば、自国の通貨の価値を破壊することで地位が上がった国はない、そんな国には破滅する運命が待ち受けているというのだ。しかも、自分の国が破滅するだけではない、他の国も巻き込んで、世界経済を混乱に陥れる。この意味で、「安倍首相も、日本銀行も、(世界経済にとっては)非常に危険な存在です」というわけだ。

ロジャーズの言い分には一理あると筆者も思う。筆者は安倍政権の金融政策の本質を「デヴァリュエーション」と名づけ、それを、自国通貨の価値を毀損することで、通貨安を誘導する政策だと定義したが、その破壊的な効果を、ロジャーズも体感しているらしいことが伝わってきた。

安倍晋三がいまのところ、こうした金融政策にしがみついていられるのは、とりあえず綻びが目立たないためだが、こうした垂れ流しのような金融緩和策がいつまでも続けられるはずがない。早晩破綻するであろうことは、火を見るより明らかだ。ロジャーズの言うように、その破綻が五六年以内にやって来るかどうかは、何とも言えないが、先延ばしできるようだと、安倍晋三の責任問題も曖昧になるだろう。

その安倍晋三のことだが、ロジャーズは、「安倍首相がやったことはほぼすべて間違っており、これからも間違いを犯し続けるでしょう。いつか目が覚めるかもしれませんが、それも怪しいものです」と厳しい言い方で批判している。

たしかに安倍晋三は、経済のことがよくわかっているとは言えない上に、人の言うことをまともに聞かないという特性を持っているので、誤った政策のまま暴走する危険がある。その暴走の果に、日本という国を破滅させるというのは、かなり現実味のあるシナリオだ。





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