病草紙2(京都国立博物館本2)

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(痔瘻の男)

または、尻に穴多き男ともいう。痔瘻とは、蓮痔ともいい、肛門の周辺に穴があき、そこから膿がでるという病気。この絵では、膿ではなく、便が多数の穴から出ているように描かれている。男が苦痛にゆがんだ顔つきをし、女が男の尻を覗き込んでいる。

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(眼病の治療)

詞書には、目を病んでいる大和国の男のもとに、目の医者だと自称する男が来て、鍼がいいだろうといって目に鍼を打ったために、男の目はよくなるどころかますます見えなくなってしまったということが描かれている。病気の説明と言うよりは、病気をめぐる説話のようなものと考えられる。

絵には、医者が患者の目に鍼を打つところが描かれている。患者の目からは血が吹き出し、女が差し出した盆の中に注ぎ込んでいる。

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(小舌の男)

小舌というのは、通常に比較して舌が小さいことをいうのであろう。この絵をよく見ると、男の舌が小さく描かれている。その男に向かって、別の男が干物のようなもので何やらしているが、それがどういう意味なのかよくわからない。というのも、舌ではなく、顎を引っ張っているように見えるからだ。また右側に描かれた男は箸を持っているが、これも意味がよくわからない。

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