安倍政権の沖縄敵視:辺野古埋め立て問題

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辺野古の問題を巡り、沖縄の翁長知事が、埋め立て作業に関連する岩礁破砕許可の取り消しを打ちだしたところ、安倍政権は、行政不服審査法にもとづく審査請求をする方針を採用、併せて知事の移設作業停止指示を取り消すことを求めた。しかも、いつ出るかわからない採決が確定するまでの間、指示の効力を止める執行停止の申し立てを、所管官庁に行わせた。

これは、政策を巡っての国と地方自治体の対立を、行政法の調整手続きによって解決しようとするようにもとれ、一見道理にかなっているようにも見える。しかし、当事者の一方は中央政府で、もう一方は一地地方自治体である。本来なら、国と地方で対立する案件については、両者の間で協議を深めながら、解決を図るのが筋というものだ。それを、これまでの翁長知事側からの度重なる呼びかけを悉く無視しておきながら、自分の言い分を通すためには、なんでもありとする安倍政権の姿勢は、あまりにも硬直したものであり、沖縄県民を侮辱していると言われても致し方がないものだ。

沖縄の人たちは、なにも無理なことを言っているわけではない。在日米軍基地の7割以上が集中するという異常な事態を前にして、少しでもそれを緩和して欲しいと言っているだけだ。ところが安倍政権は、そうした沖縄の人々の意見に一切耳を傾けることなく、自分の言い分だけを強行しようとしている。これが、国民に責任をもった政府のやることだろうか。沖縄の人と雖も、日本国民ではないか。国民が本当に困っているときに、その苦悩を一緒に考えようというのが、政府としての正しいあり方なのではないのか。

沖縄の人々は、一方的に受け身になる必要はない。政府が法律を盾にとって沖縄を敵視するようなことをするのなら、沖縄の方でも、法律を活用して対抗すればよい。だいたい、いつ出るかわからない採決が出るまでの間、知事の処分を執行停止にするという発想がいかがわしい。執行停止というのは、執行することで回復不能な損害が出ることを防止するためにある制度だ。今回の場合には、執行が効力を発揮しても、回復不能な損害など生じない。かえって、執行を停止することによって、岩礁破壊などの自然破壊が進み、回復不能な損害が生じることは目に見えている。安倍政権のやり方は、全く道理を無視したメチャクチャなものだ。

安倍政権はことあるごとに、日本が法治国家であることを強調しているが、本当にそう思っているのなら、法律を姑息な目的のために乱用するのではなく、道理にかなった行動をとるように心がけるべきだ。






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