安倍政権は何故沖縄と話し合う気になったのか

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安倍政権の菅官房長官が、沖縄県の翁長知事と話し合いの場を持った。これまで、翁長知事側からの呼びかけに全く答えず、無視し続けて来た安倍政権が、何故突然、自分の方から話し合いを呼び掛けたのか、大方の日本人は奇異に感じたことだろう。だいたい、こういうケースで、政権が急な心変わりをする時には、その影にアメリカ政府の意向が働いているというのが、経験的な法則のようなものだったわけだが、今回もそれに当てはまるようだ。というのも、菅官房長官は、この話し合いで実質的な成果が出ることを期待していたようには見えないからだ。ただ単に、話し合いの場を持って、沖縄の意見も聞いた、ということにしたいという目論見が、透けて見えてくるのである。

その目論見の真意は、沖縄の怒りを鎮めることではなく、アメリカの懸念を和らげることにある、というのが実情ではないのか。アメリカは、辺野古移設を巡る沖縄の人々の怒りがあまりにも強いことに深刻な危機感を抱いていると思われる。アメリカが一番困るのは、沖縄の人々の怒りが直接自分たちに向けられることだ。アメリカには、過去にも沖縄の人々との直接的な対決に直面し、その都度冷や汗をかいてきた経緯がある。それを今度も繰り返すのではないか。しかも、今度の沖縄の怒りは、これまでとは比較できないくらい強い。この怒りが、アメリカ政府と日本政府に向けられ、場合によっては、沖縄の独立運動にまで発展しかねない様相を呈している。そんな危機感が、アメリカ政府をして安倍政権のケツを叩かしめたのではないか。

安倍政権に、そんなアメリカの危機感がどこまで伝わっているのか、はなはだ心もとないといわねばなるまい。というのも、折角の話し合いの場だというのに、折りあいのつくような話は一切出ずに、最初から最後まで擦れ違いに終わったからだ。菅官房長官の言い方は、沖縄が何と言おうとも、俺のやりたいことをやると言っているに等しい。これでは、話し合いを通じて理解を深め合いましょうといった態度ではなく、公の場で喧嘩を売るようなものだ。

安倍政権は、こんな場を持つことで、沖縄とは十分話し合っていますというようなアリバイ作りをし、安倍総理自らアメリカを訪問した時の言い訳に使いたいと思っているフシがある。

沖縄の人々には、安倍政権のそんなケチな目論見に付き合う必要はない。今回のケースを通じて、安倍政権との溝が深いことが一段と明らかになったのであるから、今後ともその溝の深さを世界中に向ってアピールしていけばよい。特にアメリカに向ってアピールを強化し、沖縄に米軍基地を集中している事態は、今後持たないかもしれないと強く認識させる必要がある。なにしろ、安倍政権には何を言っても暖簾に腕押しだ。つまり、安倍政権には、この問題を解決する意欲も能力もないというに等しい。そんな連中を相手にするのは、ロールズも言う通り、馬鹿げたことだろうから。






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