ポツダム宣言は読んでいない:安倍晋三の歴史認識

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安倍晋三総理大臣が国会論戦の中で、ポツダム宣言についての質問に対して、「まだその部分をつまびらかに読んでいないので、直ちに論評することは差し控えたい」と答えたそうだ。これは、総理がポツダム宣言を読んでいないというふうに受け取られた。たとえ一度だけでも読んでいれば、そこに何が書かれてあるかは、頭に入っているはずだ。そんなにむつかしい事が書いてあるわけではない。だから、聞かれて答えられないわけはない、というわけであろう。

この話を聞いて、またかと思ったのは筆者のみではあるまい。この男には、国会での質疑を頭から軽視するところがあって、相手の言うことをまともに聞かず、自分の言いたいことだけをダラダラと言い続けるところがあるとかねがね思っていたが、まともに答えようにも、知らなければ答えられないわけだ。

ポツダム宣言と言えば、先の大戦での日本の降伏と、戦後の日本の国造りの基本的な条件を記したものだ。要するに戦後日本の出発点となったものと言える。それ故、戦後レジームからの脱却を叫び、そのもととなった敗戦の事実を認めたくない安倍晋三総理にとっては、忌々しい文書なのかもしれない。しかし、いくら忌々しくても、日本国の総理である以上、そこに何が書かれていたかくらいの認識は持っておくべきだろう。

安倍晋三総理は、どうも日本国憲法も十分には勉強していないようだ、と受け取られている。これもかつての国会質疑の中で、日本国憲法についての現在の標準的な考え方を代表する高名な憲法学者の名まえを知らないと言ったことから、そう受け取られるようになった経緯がある。

重ねて言うが、日本国憲法は日本という国の基本的な在り方を定めたもので、だからこそ日本の政治に携わる公務員には遵守義務が課せられている。それを、忌々しいから気に入らないといって、ろくろく勉強もしないのでは、政治家として話にもならない。こんな政治家が日本国の総理大臣を勤めているかと思うと、この先の国の行く末が案じられて、夜も眠れなくなるというものだ。







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