
シャガールは20世紀の画家のなかでも、最も色彩豊かな作家である。彼の絵には、ピカソのような思想性はないが、色彩へのオマージュともいうべき、豊かな色彩感覚にあふれている。
その色彩感は、色彩をして自由に奔騰せしむるという謙虚な態度から醸し出されるものである。それは、色彩そのものから自然と湧き出る生命感覚のようなものに基礎づけられている。
それ故、油彩・水彩をとわず、絵の具を用いて造形に励もうとする人たちにとって、シャガールは、色彩を表現するについての最高の手本となる。
この絵は、そんな気持ちを込めて描いたものだ。手本としたのは、「パラソルを持った牡牛」である。
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