クローニー・ジャーナリズム

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イエロー・ジャーナリズムという言葉がある。日本の多くの週刊誌と一部の新聞紙がこれに含まれる。扇情的な物言いで読者の関心を煽ることを得意とするジャーナリズムだ。また、クローニー・キャピタリズムという言葉もある。主に発展途上国の経済について言われるもので、権力と結託した利権的な資本主義経済のことをさして言う。

クローニー・ジャーナリズムと言う言葉はなかった。ジャーナリズムと権力とは、イメージとして結びつかないという先入観のようなものがあったためだと思う。ところがこの言葉を持ち出した者がいる。それも日本のジャーナリズムを特徴づける言葉としてであるから、我々日本人としては、穏やかな話ではない。

この言葉で日本のジャーナリズムを批判しているのは中東のメディア・アルジャジーラだ。権力と結託したジャーナリズムというような意味で使っている。

日本のジャーナリズムが、権力に大きく依存していることは、記者クラブの慣行を始めとして、さまざまな部面で指摘されてきたところだが、最近は、単に依存するだけではなく、積極的におもねっているのではないかと、アルジャジーラは指摘している。

その典型的な事例が、先日の「アイアム・ノット・アベ」を巡る一連の騒ぎである。この騒ぎを通じて、日本のメディアには、権力にとって不都合なことは報道を差し控えるという、自己検閲がはびこるようになっている事態があぶりだされた、これは健全なことではない、とアルジャジーラは批判しているわけなのであろう。

(参考)Japan: Politics, power and the press  The Listening Post examines the rise of crony journalism in Japan and Shinzo Abe's 'medianomics'





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