新国立競技場建設費用高騰の真犯人はアベノミクス

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新国立競技場の建設費用を巡って日本中を巻き込む大騒ぎが起ったあげく、安倍晋三総理大臣自らが計画を白紙撤回すると言い出した。その理由は国民の理解が得られないということらしい。この計画の推進者であると目され、いまや渦中の人となった感のある某元総理大臣は、後輩の安倍総理大臣から説得されて、倅から説教された親父のようにふてくされて見せた。曰く、2600億円のどこが高いのかと。

この計画が持ち上がった当時は、建設費が高いの安いのといって問題になることはなかった。この計画のもう一人の推進者と目される某高名建築家は、この計画の決定について費用の多寡が問題になることはなかったと匂わせる発言をしているが、あるいはそうだったのかもしれない。この計画が決定した当時には、精々高く見積もっても1700億円前後と見られていたし、その程度で収まっていたなら、今日になってこれほどの大騒ぎにはならなかっただろう。

ところが大騒ぎになって見ると、某元総理大臣は、自分はこんな設計の建物はもともと気に入らなかったんだと言いだし、某高名建築家は、何故こんなに建設費が膨らんだか、自分が聞きたいほどだと、開き直るようなことを言いだす始末。混迷は混迷を呼び、このままこの問題を放置しておくと、安保法制問題で黄信号のともり始めた安倍政権にとって命取りになるかもしれないという意識が働いたのだろう。安倍晋三総理大臣は、この計画を白紙に戻すと、いともあっさりと明言した。

新国立競技場の建設費がこんなにも高騰した訳は何か。色々な要因が重なっていると思うが、その中で見過ごせないのは、アベノミクスによる円安誘導政策と公共事業のばらまきだ。円安による輸入物価の上昇が建設資材の高騰につながり、公共事業のばらまきが東北の復興需要と重なって建設費の高騰を招いている。

なんのことはない、安倍晋三総理大臣ご自慢のアベノミクスが、この問題ではマイナス効果を及ぼしているわけだ。だが、安倍晋三総理大臣は、そうは言えないだろう。アベノミクスのおかげで輸入品価格があがり、また建設需要の高まりで建設単価があがり、それらが新競技場の建設費用に跳ね返って高騰しましたと言えば、自分で自分の首を絞めるようなことにもなりかねない。

そこで、なんとなくみんながまだわかっていない今のタイミングを見計らって、計画の白紙撤回などと言うようなアナウンスを発し、沈没しかかっている自分の舟の浮力を図ろうとしたのだろう。

そうだとすれば安倍晋三総理大臣は、日本国民を頭の悪い馬鹿な奴らだと、甘く見下していると言ってよい。

それにしても、今回の騒ぎは、日本の政治家たちの無責任ぶりをあらためてあぶり出したのではないか。某元総理大臣は、安倍現総理大臣から説教される直前に、某文部大臣や某オリンピック大臣、それに舛添都知事まで引っ張り出して、ラグビーワールドカップの宣伝をしたものだが、その中で、某元総理大臣の投げたボールを、他の三人衆が楽しそうな顔つきで受けていた。それを見ていた人々は、ボールを受けた舛添都知事は某元総理大臣の意向に従って、競技場建設のために巨額の都税負担を決意したと受け取ったと思うのだが、一夜明けて安倍総理大臣の決意に接するや、再び国の無定見を批判するようになった。

舛添都知事御本人は、国の姿勢を朝令暮改だと言っていたが、その言葉が自分自身に降りかかってくる可能性も十分にあったわけである。それ以上に朝令暮改ぶりだったのが安倍晋三総理大臣なのは、云々するまでもない(なにしろ国際公約だと自分自身言っていたことを、舌の根の乾かぬうちに破ったのであるから)。






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