五人美人愛嬌競:歌麿の美人画

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(芝住の江)

「五人美人愛嬌競」の五枚の絵にはいずれも、外題のわきに判じ絵が置かれている。それを読むと、モデルの女性の名前がわかるという仕掛けだ。遊びをかねた美人画シリーズだ。絵そのものも人気を取ったらしく、五枚のうち少なくとも三枚は、「美人花合せ」と題を変えて再刊された。

この絵の中の判じ絵の読み方は、右の二つが武士の士と葉っぱに濁点で「しば」、左が墨と柄杓の柄で「すみのえ」、全部をあわせて「しばすみのえ=芝住の江」になる。

歌麿の美人画としては珍しく、ぱっちりとした二重まぶたが印象的な若い女性を描いている。

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(富本いつとみ)

この絵の中の判じ絵の読み方は、富くじの箱に富と書いて「とみ」、金魚鉢に入れる藻と砥石の砥で「もと」、イノシシの「い」、苞の「つと」、巳の「み」で、全部をつなげると「とみもといつとみ=富本いつとみ」となる。







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