歌麿の春画

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歌麿は、おびただしい点数の春画を作った。彼の画家としての収入源は、美人画のそれより、春画のほうがはるかに多かったと思われる。歌麿が徳川幕府ににらまれ、ついには手鎖五十日の刑に処せられたのも、本業の美人画はもとより、春画を大量生産したことにも理由がありそうだ。

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(絵本小町引)

これは「絵本小町引」所収の一枚。歌麿の春画に出てくる女たちは、セックスに対して受身ではない。自分自身がセックスを楽しんでいる。そのわけか、歌麿の春画には女上位の場面が多い。

この絵の中でも、女のほうが上になって、大きく広げた脚を男の脚にからませ、男の一物を股のあいだにくわえ込もうとしている。こんなにもセックスに積極的な女を描いたのは、日本はともかく、世界的にも珍しいのではないか。

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(歌枕)

これは「歌枕」所収の一枚。この絵では、女は男の上に覆いかぶさることまではしていないものの、男と面と向かって、対等な姿勢でセックスを楽しんでいるように見える。

両手で男の顔を押さえ、正面から男の口を吸いながら(キスしながら)、同時に腰をうまく使って、男と交わりあっている。女の表情は見えないが、おそらく恍惚の表情を呈しているに違いない。

こんな絵ばかり描いていれば、権力者ににらまれるのも無理ないかもしれぬ。








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