貝甲図:若冲動植綵絵

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「貝甲図」は海辺近くの砂浜にいる貝の類を描いたもの。青く塗った曲線模様の部分が海水の流れをあらわしている。その波に洗われるかのように、さまざまな種類の貝や珊瑚の塊が描かれている。

貝には、巻貝もあれば二枚貝もあり、また不思議な形をしたものもある。これらの貝を、若冲は知人の木村蒹葭堂のコレクションを参考に描いたようである。この時代には博物学のちょっとしたブームがあり、生き物の標本を集める人士が多かったと言う。若冲にはマニアックなところがあるから、自分自身でもなにかの標本を作っていたかもしれない。

水流の部分といい、右下の珊瑚の色と言い、かなり重厚に見えるが、実際には非常に薄く塗られている。(142.2×79.8cm)


これは画面下部を拡大したもの。胡粉を有効に使って貝殻が浮き出て見えるように工夫してある。また、左下の、大きく口をあけた貝は、池辺群虫図の瓢箪のお化けと同じような形をしている。










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