「老松白鳳図」は、松の木の枝に片足で止まり、大きく羽を広げた鳳凰を描いている。画面右上には旭日の一部がある点で、老松白鶏図と同じ構図だが、鶏のうちの一羽が旭日を見上げているのに対して、この鳳凰は旭日を見ていない。鳳凰の描き方は、尾羽の部分を除き、旭日鳳凰図のそれとほとんど同じである。ただ、こちらは全身が白いことが違っている。
その羽の白さだが、これは金泥と黄土で下塗りした上から、胡粉を使って羽を一本づつ丁寧に描き加えている。そうすることで、羽の合間から黄土の下地が光り輝いてみえるようになっている。
鳳凰の鶏冠と羽の部分の赤いハート型のもようが、この絵にメリハリのような効果をもたらしている。それに対比すると、松に止まっている鳩や、松に絡んでいる桐の葉は、抑制された色使いになっている。（141.8×79.7cm）
これは、鳳凰の部分を拡大したもの。鳳凰は架空の鳥であるが、この絵の中の鳳凰は実在しているものを写したような、生き生きとした印象を与える。
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