
「群鶴図」は、七羽の鶴が重なりあって立っている様子を描いたものである。かなりもつれあっているので、頭と胴体や脚との関連がよくわからないところがある。頭を数えるとかしかに七羽分あるのだが、見えている脚は九本しかない。五本あるはずの残りの脚は、持ち上げられて隠れているのだろうか。
緒方光琳の図案集に、五羽の鶴が重なる様子を描いたものがあるので、若冲はそれを見て描いたのだろうと推測されている。
左下に「心遠館若冲製」とある。製作時期の記載はないが、宝暦五年(1755)だとする説もある。(108.8×49.4cm)

これは、鶴の胴体の部分を拡大したもの。彩色が平面的に映るので、鶴同士の前後関係が曖昧になっている。
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