鳥獣花木図屏風右隻:若冲プライス・コレクション

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プライス・コレクションにとどまらず若冲の画業全体の中でももっとも光るのがこの「鳥獣花木図屏風」一対だ。この図屏風を若冲は、桝目描きという特殊な技法で描いた。桝目描きというのは、画面を一センチ四方の枡に区分けし、その一つ一つを絵の具で塗っていくというものである。織物の図案である正絵の技法を取り入れたとも、朝鮮半島の紙織絵の影響だとも言われている。詳しいことはわかっていないようだ。

この技法による動物画を、若冲は何点か描いているが、「鳥獣花木図屏風」はもっとも規模が大きい。六曲一双で、高さ168.7cm、幅374.4cmである。

右隻は、白象を中心にして、向かって右手にはイノシシ、ヤマアラシ、唐獅子、獏、虎などが、左手にはヒョウ、水牛、ラクダ、オランウータンなど、併せて29種類の動物が描かれている。その中には、若冲が実際に見たことのない動物をあっただろう。絵には、正体のはっきりしない動物も描かれている。(168.7×374.4cm 紙本)

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これは、白象の部分を拡大したもの。桝目が確認できると思う。「樹下鳥獣図屏風」における白象とくらべると、こちらは眼がはっきりと描かれ、背中に人を座らせるための布を載せているのが特徴。







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