プーチンがレーニン批判

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ロシア大統領ヴラヂーミル・プーチンが、21日にクリミアのスタヴローポリで開かれた学術会議の席上、ロシア革命の指導者レーニンを厳しく批判したそうだ。その理由は、レーニンが掲げた民族自決主義が、ソヴェート連邦の解体をもたらし、今日またロシアにおける民族対立の火種を植え付けたというもので、プーチンはレーニンのそうした立場が、ロシアにとっては国家解体の「時限爆弾」となったと言いたいようである。

プーチンが偉大なロシアをめざす国粋主義者だということはよく知られている。プーチンにとって偉大なロシアとは、強大な権力者を中心にして、国民が一致団結し、国内的には調和と繁栄を謳歌し、対外的には強大な国家としての尊敬を集めることだ。ところがどうだ。今日のロシアは、国内的には諸民族が相争い、対外的には欧米諸国に馬鹿にされている。悔しい限りではないか、というわけであろう。

レーニンは、ソ連邦の解体以後も、ロシア国民からの尊敬を集め続け、その遺体は今でも赤の広場の一角に安置されている。その遺体を他に移せと言う要求がないわけではないが、プーチンはいまのところそれに乗る考えはないようだ。レーニンへの公然とした敵対が、国民の間の分断をもたらすことを恐れているかららしい。

もしもプーチンが、レーニンの批判にとどまらず、その遺体の赤の広場からの撤去に乗り出すとすれば、それは自分がロシアの新たなツァーリ(あるいは第二のスターリン)になることを決意したときかもしれぬ。







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